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本を使って人と街を繋げたい。あっちこっち文庫の試みを紹介します。

目次

皆さんは本が好きですか? 私は好きです。

皆さん、本は好きですか? 私は好きです。本って不思議。幼児の時は親に絵本を読んでもらい、そのうちに自分で絵本を手にし、成長するにしたがって児童書、図鑑、漫画、小説、専門書、趣味の本などなど一人一人の人生の″その時″に寄り添うように、本はいつでも私たちのすぐ近くにいます。

今回の記事は『本』が大きなテーマになっているのですが、本の価値って昔と比べて少しづつ変化しているような気がしています。インターネットに情報が大量に飛び交っている現代、本は必要な誰かに届ける小さなメディアとしての役割が多くなっている気がします。話題の本を消費するだけでなく、本を購入するという行為を人生のイベントのように大事にする。そういう人も多いと思います。

本なんて、たかが紙の束をくっつけて製本したモノ。しかし本には″製品″としての価値だけはなく、もっと色々な魅力があるんじゃないかな。もっと可能性があるんじゃないかな?って思うのです。

そんな事を考えていた時の事。インスタのタイムラインに怪しげな…(おっと、怪しいと言ってはいけない💦)、90年代青春ドラマのような感じで本を持ってニコヤカにポーズをとるリール動画が流れてくるようになりました。

見てるとクセになるこのリール動画。

そのアカウント名はあっちこっち文庫、略してAKB文庫。ムムム面白そうなアンテナが反応している…。どうも磐田市で本を使って街づくりをしようとしている人たち? らしいのですが…。

お伺いしたのはワークピア磐田にあるコワーキングスペース″はじまりのオフィス″。こちらの運営管理をする″はじまりのさいとうさん″こと西藤正江さんにお話を伺います。

ワークピア磐田
コワーキングスペース「はじまりのオフィス」

あっちこっち文庫は本を使って街と人を繋げるプロジェクト。

もともと街づくりに興味があって、ワークピア磐田で働いている西藤さん。実は最初に考えていたのは街を使ったRPG(ロールプレイングゲーム)なんですって。学生にシナリオを考えてもらって、街の住人がモブキャラになり、主人公が目的を達成するゲームをリアル磐田市で作ること。私もお話を聞いて「何それっ‼︎ めっちゃ面白そう‼︎」と思いましたが、それをやるには膨大な人手とコストがかかり、現実的ではありません。

そんな時、はじまりのオフィスに登録をしてくれた南里哉子さん(日本語教師・ご主人の経営する台湾Styleドリンクスタンドdrink+ HOCHA HOCHAもサポート)から「読書会をしたい」という相談を受けます。「本が軸に人が繋がるイベントをやってみたい」と思っていた西藤さんは、同じはじまりのオフィスの会員で、別な街で読書会を開催していた㈱プロトペラの鈴木祥文さんに声がけし、3人を中心とした読書会が始まりました。

左から鈴木祥文さん、南里哉子さん、西藤正江さん

読書会と言っても、難しいテーマを深掘りするような読書会ではありません。もっと気楽に人が集まって「私はこれに興味があるんだよね〜。」「この本のここが魅力なんだよね〜」って感じのユルい集まり。読書会は徐々にリピーターが増え、小さな繋がりができてきます。

読書会で参加者の皆さんが紹介してくれた本の一部。皆さん本に対してそれぞれの想いがあります。

すると、読書会という枠組みを飛び出して、もっとリアルな体験として街と人と繋がる仕組みを作りたくなりました。それが『あっちこっち文庫』。本があっちこっちに旅をして、人がつながっていくんですって。面白いですね。

あっちこっち文庫で本を借りてみよう。

あっちこっち文庫を利用するルールは簡単。あっちこっち文庫の本棚が設置されているお店に行き、「この本借りますね〜」と声をかけるだけ。会員証や身分証明書もいらないし、本のレンタル料も必要ありません。返却期限も特になし。

返却の際は磐田市内にあるあっちこっち文庫のどこに返却してもOK。「どこに戻せばいいかわからない」って困るようなら、毎日9時〜21時まで営業しているワークピア磐田への返却が便利です。

ワークピア磐田にあるあっちこっち文庫の本棚。借りる時はワークピア磐田の受付窓口に声をかけてください。

「そんなルールだと盗まれちゃったりしないの?」とも思いますが、本好きに悪い人はいないだろうという性善説で始めたそうです。結果、今のところ行方不明の本は無いんだそう。本好きに悪い人はいないって、まさにその通りですね。


ちなみに、「あっちこっち文庫の本棚を設置したい」という場合。年会費3,000円で設置する事(専用本棚の設置の他、ウェブサイトに設置場所として掲載、年間10冊の寄贈が可能)です。店舗や施設に置くことで、新しい人の流れができたり、本がキッカケになって会話が生まれる可能性も。皆さんいかがでしょう。

あっちこっち文庫専用の本棚。ロゴの刻印がかわいい♡

このプロジェクトに賛同いただき、本を寄贈したいという人は年会費500円で寄贈が可能です。(年間10冊の寄贈が可能。年に1回行われる一箱古本市に本屋さんとして参画できます。)

「寄贈するのにお金がかかるの?」と思われるかもしれませんが、本を管理するのもなかなか大変なんです。ワンコインで「この本を旅させたいな」程度の気持ちでよかったら寄贈ください。

会いたかった♫ 会いたかった♫ 会いたかった♫ Yes‼︎ 君に〜♫

あっちこっち文庫は、毎月第4金曜日に13:00〜17:00まで『あっちこっち文庫駅前出張所』として磐田駅前にテントを張って読書をしています。たまに道ゆく人とコミュニケーションをはかったりしながらも…、基本的にはずっと読書をしています。

本と向きあう時間って1人の贅沢な時間ですからね。道ゆく人が「あそこで本を読んでる。私も家に帰ってゆっくり本を読もう」って思っていただけたら良いんじゃないかなぁ。もちろん出張所なのでこちらで本を借りることも可能ですよ〜。会いに行ける本。それがA(あっち)K(こっち)B(文庫)なのです。


今回は磐田市で活動しているあっちこっち文庫を紹介させていただきました。いかがでしたでしょうか。本がきっかけで少しづつ人が繋がっていくのは面白いですね。人が集まれば街の風通しが良くなる。子どもも安心して遊べる街になる。小さな本の取り組みは、少しづつ街の空気を変えていくのかも?しれません。

みなさんもこの遊びに付き合ってみませんか?

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おまけ

この記事に興味を持っていただけたら、こちらの本もオススメ。

『ブックフェスタしずおか 本がひととまちを繋いだ31日間』

31日間で静岡県内80か所、3万人以上が参加した本の祭典のドキュメンタリー。こちらの本にもあっちこっち文庫について詳しく書かれています。私たちの住む静岡県内に「こういう人たちがいるんだ〜」と感動しちゃう。ぜひお読みくださいね。

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