皆さん、お正月以外にもお寺や神社って行かれる事ってありますか?
今回の記事は入野にある『西湖山 龍雲寺』(以下、龍雲寺)さんを紹介させていただこうと思っているんですが、記事本文に入る前に少し質問です。こちらの記事を読んでいただいている方は子育て中のお父さん・お母さんが多いと思いますが、皆さんはお正月以外にもお寺や神社に行かれる事はありますか?
いやぁ〜、子育てがテーマのウェブサイトで、お寺を紹介するって、人によっては「なんで?」って思われる事もあると思うんですよねぇ。
でも、お寺や神社って地域に根ざしていて、昔から人が寄り集う場所。子育てサイトだからって大騒ぎできて走り回っていう派手な遊び場の紹介だけじゃないんです。一人でフラッと自分を見つめ直したり、子連れでゆっくり日本の美を楽しんだりできる、我が家にとっては龍雲寺さんがそんな場所なんです。
普段はあまりお寺に行くことの無い方も、この記事を読んだら興味を持ってくれるかも。どうぞ一緒にお付き合いください。
(なお、私は特定の宗教を信仰していなく、仏教についても詳しくありません。できるだけ失礼のないように気をつけながら、自分が感じた言葉でこの記事を書くつもりですが、何か失礼な箇所がございましたらできるだけ訂正させて頂きます。)
龍雲寺さんは見どころがいっぱい。日本の美を楽しもう。
我が家がなぜ龍雲寺さんを好きかというと見処がいっぱいあるから。
なんかそんな簡単な一言で済ませちゃうと「それだけ?」って思われるかもしれませんが、歴史や文化に疎い私でもわかるような、「あぁ〜、綺麗だなぁ〜。落ち着くなぁ〜。」という場所がいくつもあって、何度行っても飽きないんです。
ここからは私の拙い写真での紹介になりますが、一緒に龍雲寺さんを歩いているつもりで見ていただけたら幸いです。
まずさっそく本堂に入る前に目に飛び込んでくる「無量寿庭」という名の枯山水。石で表現された水の流れの永遠の美しさにうっとりします。
龍雲寺さんのパンフレットを見ると、置かれている石も阿弥陀如来や亀や龍を表していて仏の世界を表現しているということでした。この道を通るだけで心が清らかに安らかになるようです。
そして、本堂に入る前に少し寄り道。
龍雲寺さんには水琴窟があるんですよ〜‼︎ 素敵っ‼︎ ってちょっとテンションが上がってしまいましたが、おそらく多くの方は水琴窟って言われてもわからないですよね。
詳しくはWikipediaを参照いただくとして、ざっくり説明させていただくと水琴窟は自然を利用した楽器。原理は違いますが自然を利用しているという点では鹿おどしや風鈴とも似ていますね。
竹筒に耳を充てると「コロ〜ン♫ カラ〜ン♫」と静かに鳴る水の音が聞こえてきます。私は水琴窟の音が大好きで、見つけると絶対に音を聴くんですが、浜松だと龍雲寺さんの他に、浜北の万葉の森公園にあったと思います。もし詳しい方、地元で他に水琴窟のある場所を知ってたら教えてくださいね。
滝のある庭園で癒され、地獄極楽図を見て日頃の行いを戒め反省する。
水琴窟の音に癒されたら、履き物を脱いで本堂に入っていきましょう。まずはお賽銭を。「今も、これからも世の中が平和でありますように。」
道順に沿って歩いていくと、本堂裏庭にある滝のある庭園「清浄庭」があります。子どもを連れていくと、もれなくここに居座ります。なぜなら愛しの鯉ちゃんたちがいるから。
中学生以下限定で鯉の餌も用意されています。これを大事に大事にちぎっては鯉にあげ、またちぎってはあげて。餌をくれるとなると大きな鯉は他の鯉を押しのけて近くまでくるので、少し離れた小さな鯉に向けて餌を投げるも、やっぱり大きな鯉に取られちゃったり…。そんな子どもの姿や、静かに落ちる滝を見ながら、日々の自分を振り返る時間にするのも良かったりします。(過剰に餌をあげるのは鯉によくないので、必ずルールを守って餌やりをしましょう。)
少し薄暗い廊下には地獄極楽図の複製画が展示されています。地獄とは何か。死を通して生きることを考えたり、自分自身の行いを反省するきっかけを与えてくれます。
初めて龍雲寺さんにお邪魔した時は、この地獄極楽図が目当てで、ムスメに「地獄の絵があるんだよ〜。鬼さんがいるんだよ〜。」なんて言いながら恐る恐る見ていたものですが、今となってはムスメは何一つ怖がってくれない…。
まぁ確かに、今はアニメでもゲームでももっとリアルで恐ろしいモンスターがいますからね。なかなかこういう絵を観て怖がることもないかもしれませんが…。本当に大事な事は怖がることではなくて、死を知ることで今を大切に生きること。もう少し大人になったらこの世界観に何かを感じ取ってくれるかなぁ〜。
圧巻‼︎ これを観ないと帰れないっ‼︎ 世界一大きい般若心経。
地獄極楽図の廊下の先には…。初めて見た時には何も言葉が出ませんでした。見てください‼︎ 圧巻の世界一大きい般若心経です。大きいっっ‼︎ そして美しいっっ‼︎
何と言いますかね。最初に書いたように、私は特別に仏教を信仰しているとかは無く、お正月にお参りに行ったり、受験の願掛けでお寺や神社に行く程度ですが、ちょっとこの般若心経を見た時の圧倒的なパワーというか、筆から伝わるエネルギーは何度見てもハッとして、背筋がシャンとしてしまいます。
子どもと一緒のときは、この般若心経の前に座ってぼーっと数分間。何を考えるというわけではないですが、日々の生活のこととか、ムスメの学校のこととか、これからの我が家のこととか、結論は特にないけど生活に追われて普段じゃ考えられないことをぼんやり…、ぼんやりと。
ムスメもここに来ると割と大人しくて、普段はせっかちで10秒ごとに「次は何して遊ぶ?」と聞いてくるムスメですが、この般若心経に見つめられると1分くらいかなぁ〜笑。割と静かに書を見ていますが、子どもなりにも何か感じ取ることがあるのかなぁ〜って思います。
こちらの般若心経は龍雲寺さんと家族ぐるみの仲でもある書家の金澤翔子さんが書かれたもの。翔子さんといえば2020年の東京オリンピックでも公式のポスターを書かれたりと、日本を代表するアーティストですね。
書道についてそれほど知識がない私でも、金澤翔子さんの文字を見るとグッと心を掴まれた気になります。龍雲寺さんでは定期的に金澤翔子書展を行なっていて、今年も9月30日〜10月9日まで開催されるので、ぜひ生の眼に焼き付けてくださいっ‼︎
最後にこちらを見てほしい。佐鳴湖を見渡せる展望台。
龍雲寺さんの魅力については、まだまだ紹介しきれていませんが、あとはぜひ皆さんご自身で来て観てくださいね。最後にこちらだけ紹介。仏の世界に心が落ち着いたら、佐鳴湖を見渡せる展望台もぜひ寄ってみてください。
最初の方で紹介した水琴窟のすぐそばにある山道の入り口から山を登っていくと…、運動不足の身体にはだいぶ息が上がっちゃうのですが…。
その先に疲れが一瞬で吹き飛ぶような佐鳴湖を見渡せる展望台があります。ここでゆっくり深呼吸。空の青さと植物の緑、そして湖の澄んだ青。浜松の景色って綺麗ですね〜。
今回私がおじゃましたときはツクツクボウシの鳴く音が聞こえてきて、「あぁ〜、夏ももう終わりを迎えているな…」って思ったり。季節の色を感じ取れるのもまた魅力の一つです。
そんなこんなで、私の好きなお寺『龍雲寺』さんの紹介をさせていただきました。
そうそう、大事な事をお伝えし忘れていました。龍雲寺さんの拝観料は無料ではありますが、もし気に入っていただけたらお帰りの際にお賽銭とは別に志納金を本堂賽銭箱に入れていただけると助かります。この美しい施設の維持、そして作品の管理に使われます。
また、龍雲寺さんは観光寺院ではありません。普段は法務や修行などをされていますので、拝観の際にはお静かにお願いします。ルールを守って、お寺を楽しみましょう。