水曜日は「思いやりトーク&キッズウエルカムデー」
秋の浜松城公園はお散歩にぴったり。
芸術の秋、紅葉の秋、食欲の秋。
色々なイベントで楽しませてくれますね。
今回は、浜松城公園の上の方にある浜松市美術館の、
「スーパーリアルワールド展」に芸術の秋を満喫しに行ってきました!
浜松市美術館では、毎週水曜日を
「思いやりトーク&キッズウエルカムデー」として設定。
作品の感想などを話しながら鑑賞できる曜日なんですよ。
スーパーリアルワールド?超写実世界?
今回の展示は浜松出身のお二人、
石黒賢一郎氏と斎藤雅緒(まさお)氏によって描かれた約180点の写実作品を集めたもの。
写実の中でも、超写実を得意とするお二人。
石黒賢一郎氏は油絵で、
斎藤雅緒氏はおもにエアーブラシで表現。
お二人の作品は、それぞれに違った立場から
写実の世界を極限まで追求したもので、
本物よりもホンモノ!
その精巧さに、
「コレ、本当に人間が描いたの?」
と、思わず疑ってしまうこと間違いなしです。
積極的にSNSにあげてくださいね。という、
撮影許可のコーナーがあり、
そちらも楽しめそう。
写真左側2枚が石黒賢一郎氏作品。右側2枚が斎藤雅緒氏作品。(フライヤー裏)
《1階》石黒賢一郎氏作品の展示
まず、写実について。
写実とは、「目で見たままを写すこと」。
でも、カメラやスマホで見たままの世界を写し出すことができる現代になぜそれを絵で表現する必要があるのか?
そんな疑問をどこかで抱きながら見始めました…。が、
はっきり言ってそんなコトはどうでも良くなるほど、
人間技とは思えない作品の数々。
そのリアル感がとにかくスゴすぎでした!
たいてい、
遠くから見て「写真」のように見える絵でも
近づいてみると色を塗り重ねた跡や筆のタッチが感じられて、次第に「絵」になっていく。
だけど、石黒賢一郎氏の作品は近づけば近づくほどなぜかリアルになっていく。
髪の毛一本一本、目元の粘膜の質感までも見えたままに表現、しかも筆の跡がない!だから、どれだけ近づいても本物にしか見えないんです。
まさに神ワザ!!
展示No.31 「真◯◯・マ◯・イ◯◯◯◯◯◯」
コレは生で見てほしい!
特に見ごたえがある作品として、
展示No.7「存在の在処」。
2001年〜2011年まで10年も加筆を重ねたという、112cm×162cmの大作。
自身の父親を、父親の職場であった学校の教室を背景に描いたもの。
学校だよりやカレンダーの貼られた掲示板の前に立つ初老の教師。
その、人物の表現が素晴らしいのは言うまでもないのですが、私が驚いたのは背後の壁!
そして黒板の質感!
チョークの文字のチョーク感(!?)。
近づいて見るほど、
壁は壁紙でできていて、
黒板は板でできていて、
チョークの文字はチョークで書かれている。
としか思えないんです。
さらに、掲示板の下にある、教室の壁の落書きもそのまま描き込まれ、近づいて見るほどその場に居る感覚に。
この作品は、思わず手を触れてみたくなる人続出なのだそう。←触っちゃだめですよ〜
撮影許可のおりていない作品のため、お見せできないのが残念!
ぜひ一度、生で見ていただきたい作品です。
※ご注意。
数々の作品の中には裸の女性の絵もあるので、思春期のお子さんと鑑賞されるときはご注意くださいね。(スーパーリアルなので…)
2次元から3次元へ召喚!
アニメのキャラクターなど、
2次元の人物も彼の手に掛かれば
ものすごいリアリティを持って現れる。
それでも、これも紙の上。
2次元でも3次元でもなく感覚としては…2.5次元!?
そんな不思議な感覚の作品の中を抜けると、
ついに、3次元に召喚されちゃった作品が現れます!
石黒賢一郎さんの手掛けるアニメに登場するAIロボット、GURUA BIPEDA(グルア・ビペダ)を立体で再現したものなのだそう。
これが、究極にリアル。
展示No.38「GURUA BIPEDA 00」
その完成度がすごい。
実際、子どもと「これ、実は人間で突然動くっていうドッキリじゃないよね?」なんて言いながら恐る恐る近づいて、顔をのぞき込んで写真を撮ったほど。
写実。
見たままを写すこと。
それは3次元を2次元に収めることだと思っていたけれど、彼の場合は2次元を3次元に引き上げている。
この、召喚作業を楽しむことが創作の原動力になっているのでは?
と勝手に推測。
↓↓不思議と、
体温、匂い、呼吸、意識すらも感じ、
いまにも動き出しそう!
《2階》斎藤雅緒氏作品の展示
同じくスーパーリアル(超写実)を手掛ける斎藤雅緒(まさお)氏。
実は、
日本に住んでいて彼の作品を見たことがない人がいるだろうか?
と思うほど、私たちの生活になじみのある作家さん。
伊藤園のペットボトル飲料、お〜いお茶。充実野菜や1日分の野菜、ビタミン野菜etc…
大手化粧品メーカー、下着メーカー、ファストフード店メニューなど産業界でのデザインを手掛けられている。
この日、たまたま美術館にいらしていた先生。
とても優しく気さくにお話しをしてくださいました。
今回の展示のために作ったという、
伊藤園の自動販売機。
こちらは、機械の下方から上方に向かってお茶の葉が番茶用から新茶用になっていくというデザインなのだそう。
そんな、デザインに込められた思惑を探すのもおもしろいかもしれない。
一緒に写真を撮らせていただきました!
よりリアルに、より美しく。
斎藤雅緒氏の作品は、初期のものはバイクやエアコンといった工業的なものが多く、
機械の細かな部品まで精密に描かれている。
とくに、金属の光沢感の表し方は人間の手によるものとは思えない。
ここでは、超写実である必要性が理解できる。
写真にすると写り込んでしまうかもしれないカメラマンや他の余計なものたちが一切入らないからだ。
下の絵にもある思惑が…。
地面に描かれた一枚の枯れ葉。
それによって、無機質な機械に音や力強さを加えているそう。
展示No.17「ヤマハ、オートバイDOHC750」(ポストカード)
おいしそうな絵がいっぱい♪
斎藤雅緒氏の作品には、植物や果物、食べ物の絵が多くあって、「うわ〜おいしそう!」「きれいだね。かわいいね」と私も子どもたちもウキウキ♪
特にすごいと思ったのが、
溶けた氷の表現や、
アイスクリームの先っぽが溶け始めている感じ、
パスタから立ち昇る湯気など。
どの作品を見ても食べ物がいちばん美味しく見える、その瞬間が収められている。
↓↓パスタ茹で上げの絵からは、
内部に少し芯がありそうな、プリッとしたアルデンテの茹で加減を感じませんか?
展示No.57「パスタ(茹で上げ)」(ポストカード)
私がすごく心奪われたのは…
展示No.53「ブルーベリーソフトクリーム」。
旬を迎えてパンッと張りがあり、
まるまると熟したブルーベリー。
表面の白い粉、ブルームまで見事に表現。
無数のブルーベリーの真ん中にそびえ立つ、
透明なサンデーカップに入ったソフトクリームには赤いブルーベリーソースがかかって、今にも溶けだしそう〜!
これは見るだけで食べた気持ちになれること間違いなし!
展示No.38「ブドウ多品種」。
こちらは縦50cm×横120cmの大きな絵で、
赤いブドウ、マスカット系の緑色のブドウ、巨峰のように黒っぽい紫のブドウ。と、粒の大きさも色も違う様々な品種のブドウを集めて描いている。
ボタニカルアートのような優しい表情のブドウ。
そのブドウの房ひとつひとつが全て食べごろ♡
同じコーナーに
展示No.40「リンゴ多品種」もあり、
りんごの品種による細かな違いを描き分けていてこちらも見事!
美術館でまさかの食欲の秋を堪能することができました♪
↓↓さくらんぼの、このみずみずしさ!
展示No.88「さくらんぼの群」(ポストカード)
かわいいお土産も♡
浜松出身の、二人のスーパーリアルアーティストによる見ごたえたっぷりの展示を見終えて、子どもたちと「来てよかったね」なんて話しながら出口方向へ向かうとお土産売り場が!
画集などもあったけど子どもたちが真っ先に向かったのは、
斎藤雅緒氏によるスーパーリアルでスーパーおいしそうな食べ物の絵がプリントされたトートバッグのコーナー!
何段にも重なったハンバーガー、しっとりフワッと卵の巻かれたオムライス。
もちろん、しっかり買わされました。
子どもたちは入館料無料だったし…
思い出にもなるし…
丈夫そうだし、モノも沢山入りそうだし…。
とにかく、大事に使ってね♡
スーパーリアルワールド展は、
12月15日㈰まで浜松市美術館で開催中。(月曜は休館日)
開館時間9:30〜17:00(入館は16:30まで)となっています。
秋の浜松城公園散策がてら立ち寄ってみては?
《スーパーリアルワールド展》
【場所】浜松市美術館 〒430-0947静岡県浜松市中区松城町100番地の1
【電話番号】053-454-6801
【期間】9/28㈯〜12/15㈰
【休館日】月曜日
【開館時間】9:30〜17:00(入館は16:30まで)
【観覧料】(税込み)
《一般》1,200円…JAFカード提示で20%引き960円に。
《学生》800円
《小中学生》600円
※小学生は「キッズアートプロジェクトしずおか」ミュージアムパスポート提示で無料。
※浜松市の中学校に在籍の生徒は無料。
《未就学児》無料。
ベビーカー無料貸し出しあり。(2台)
車椅子もあります。
主催…浜松市・Daiichi-TV