中学生以上のお子さんがいれば是非ご一緒に…
オンモプラス☆映画部のaranyosです。
今回、ご紹介するのは『手紙は憶えている』
カナダとドイツの共同制作映画で、ヴェネチア国際映画祭でも高い評価を受けた作品です。
ここ最近、ナチスやホロコースト、原爆など、戦争を題材にした作品が多く作られています。
その理由として言われているのが…
*戦争の記憶の風化
*忘れてしまうことへの恐怖や不安
*経験者・語り部の高齢化
です。
『手紙は憶えている』は、まさにそんな風化や忘却への不安を強く訴える映画だと思います。
こちら、映倫区分でPG12となっていますが、
PG12とは「12歳未満の方には、保護者の助言・指導が必要」な作品のこと。
12歳以上、特に中学生以上にもなれば、世界の歴史も学習しますし、大人の階段を上る年頃ですから、親子で鑑賞してみるのも良いかと思います。
では、『手紙は憶えている』
ネタバレ無しのザッとあらすじ紹介
『手紙は憶えている』ネタバレ無し・ザッとあらすじ
老人介護施設で生活する90歳の男性ゼブ。
最愛の妻ルースの死さえも、覚えていられないほどに認知症は日々進行している。
眠って目が覚めるたびに、色々なことが記憶からこぼれていく…
そんなある日、同じ介護施設の入所者である友人マックスから一通の手紙を受け取ったゼブ。
「認知症が進む以前から、君が必ずやり遂げたい、と誓っていた『あの事』を全て書き出しておいた。今こそやり遂げるんだ!」とマックスに送り出され、『あの事』をやり遂げるための旅に出る。
手紙に書かれた『あの事』とは…
70年前、アウシュビッツ強制収容所で、自分の家族を殺し、偽名を使って今も逃げ続けている元ナチスを探し出し、自らの手で罰を下すこと。犯人の名は”ルディ・コランダー”。
マックスによって4人に絞られた容疑者の”ルディ・コランダー”の居場所へ赴き、本物の犯人を探し出し、罰を下すための旅。
しかし、ゼブは目覚めるたびに記憶を失っていく。
それでも、手紙に書かれた指示項目を一つ一つ実行しながら、旅の最終目的に近づいていく。
ゼブはやり遂げることができるのか…
そして…手紙には書かれていなかった、衝撃の事実が明らかになる。
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約1時間半の映画です。
旅路の美しい景色に目を奪われるロードムービーのような、しかし、心配とドキドキとハラハラでいっぱいの、固唾をのむサスペンス映画でもあります。
この映画、ナチスの残党探しの旅がテーマですが、アウシュヴィッツで起きた悲惨な出来事の映像や、目を覆いたくなるようなシーンは全くありません。
なので、お子さんと観ても大丈夫です。
完全悪であるはずのナチスの非人道さが、一部の人間の間では英雄視され、礼賛される現代のゆがみ。
70年経っても、家族を殺された怒りや悲しみは消えず、むしろより強烈になり、復讐が用意周到に実行されるまでの憎しみの深さ。
それに相反して、忘れられ、記憶からも消し去られていくナチスの犯罪。
そんな深い、深~い、けど、見過ごしてしまいそうな現状。
一度ゆっくり立ち止まって、考えてみるのにピッタリな、いや、考えざるを得ないような作品です。
『手紙は憶えている』
東海地方ではCINEMAe-raでのみ上映中。
2/18~24の期間は1日1回 11:55~13:35の上映
2/25~3/3の期間も1日1回 16:55~18:35の上映
まだまだ有ります。
オススメ映画!!!
独断と偏見で他のオススメ作品を紹介させていただくと…
☆音楽好きにはたまらない「トランペットの神様」であるマイルス・デイビスを題材にした作品
『マイルス・デイビス 空白の5年間』
★オペラの本場、ミラノ・スカラ座の舞台裏に迫った迫力溢れる作品
『ミラノ・スカラ座』
などもあります。詳しい上映時間は↓↓からどうぞ!!
CINEMAe-ra2月上映スケジュール
また、第66回ベルリン国際映画祭金熊賞グランプリ受賞、
第89回アカデミー賞外国語映画賞イタリア代表を受賞した作品。
アフリカや中東からの難民が生死をかけて海を渡りたどり着く、イタリア最南端の小さな島でのドキュメンタリー映画『海は燃えている』も上映が決まりました!!
期間は未定ですが、そちらも随時アップしていきたいと思っています。
オンモプラス☆映画部、読者はいるのかな…??
と廃部の心配をしながらも、独断と偏見で秀作をご紹介していけたら…と思っております。
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