「1人目はすぐに妊娠したから、2人目もそのうち授かれると思っていた」
ところが、半年、1年と過ぎてもなかなか妊娠しない。
ママ友から2人目の妊娠報告を聞くと、素直に喜べない。そんな自分が嫌になる。
生理が来るたびに「また今月も…」と落ち込み、年齢のことを考えると少しずつ焦りも大きくなっていく―
2人目妊活では、生活リズムや夫婦関係の変化から、夫婦生活そのものが減っていることがあります。
また、不妊治療を考えていても、上の子を連れての通院が難しいことも。
さらにこのような背景に加え、1人目を妊娠する前とは身体の状態が変化していることもあります。
では、中医学では「2人目妊活」をどのように考えるのでしょうか。
年齢と妊娠・出産――生殖と深く関わる「腎」
中医学の妊活では、生殖と深く関わる「腎(じん)」をとても大切に考えます。
中医学でいう「腎」は、腎臓そのものではなく、成長や発育、老化、生殖などに関わるものとして捉えられています。
そして腎には「腎精(じんせい)」という、成長や生殖を支える生命の土台となるものが蓄えられていると考えます。
女性の身体は「7の倍数」を節目に変化すると考えられ、35歳頃からは「腎精」が少しずつ減っていくと考えます。
腎精は生殖を支える土台でもあるため、妊活ではその充実度も大切に考えます。
2人目妊活では、1人目のときより年齢を重ねていることに加え、中医学では妊娠・出産によっても腎精を消耗すると考えるため、1人目の妊娠前とは腎の状態が変化していることがあります。
妊娠・出産・授乳を経た身体――「気・血」の不足と「血瘀」
妊娠・出産・授乳は、女性の身体にとって大きな負担を伴います。
中医学では、こうした過程で「気(き)」や「血(けつ)」を消耗しやすいと考えます。
※「気」は身体を動かしさまざまな働きを支えるエネルギー、「血」は全身に栄養や潤いを届けるもの
出産したら休む間もなく始まる育児。睡眠不足や疲れが続いたり、仕事に復帰したり。十分に回復できないまま毎日を過ごしていると、「気血不足」の状態が続いていることがあります。
たとえば、疲れやすい、元気が出ない、冷えやすい、めまいがする、顔色がすぐれない、風邪をひきやすい…。
こうした一見「妊活とは関係なさそう」と思える不調も、漢方相談では大切な身体からのサインとして見ていきます。
一方で、「血瘀(けつお)」といって、血の巡りが滞っている状態がみられることもあります。
生理痛が強い、経血に塊が多い、経血の色が暗いなどは、血瘀を考えるときの一つの目安になります。
中医学では、気血が不足している状態や血が滞っている状態も、妊娠しやすい身体づくりを考えるうえで大切なポイントになります。
ストレスや焦り――「気」の滞り
2人目妊活では、気持ちの負担も重なりやすくなります。
仕事や家事、育児による日々のストレスに加えて、
「また今月も生理が来た」
「周りは2人目を妊娠しているのに」
「年齢のことを考えると早く妊娠したい」
そんなふうに、妊活そのものがストレスになってしまうこともあります。
中医学では、ストレスがあると「気」の巡りが悪くなり滞ると考えます。
気が滞ると、イライラしやすい、生理前に気持ちが不安定になる、月経周期が乱れる、胸やお腹が張るなどの不調が現れることがあり、こうした気の滞りも妊娠しづらさにつながる要因として考えます。
ここまで、2人目妊活でみられやすい身体の状態として、「腎精の減少」「気血不足」「血の滞り」「気の滞り」といった代表的なものを挙げました。
ただ、実際にはどれか一つだけに当てはまるというよりも、いくつかの要因が重なり合っていたり、これ以外の要因が隠れていたりすることも少なくありません。
「妊娠」だけではなく、今の身体全体を見る
実際に2人目を希望して相談に来られた方の中に、1人目の出産後から「調子がいいと思えるときがほとんどない」という方がいらっしゃいました。
疲れやすさに加えて、イライラや不安感、寝つきの悪さ、手足の冷え、胃もたれや下痢のしやすさ、風邪をひきやすいなど、いくつもの不調が重なっていました。
漢方を飲み始めてから、少しずつ元気が出て、気持ちの面でも以前より前向きに過ごせるようになっていきました。
妊活というと、どうしても子宮や卵巣の機能に目が向きがちですが、中医学では、妊娠に関わる部分だけを切り取るのではなく、身体全体の状態を見ていきます。
不妊治療を受けている方も、治療と並行しながら漢方を取り入れることができます。
今回は、「1人目はすぐ妊娠したのに、2人目がなかなか授からない」「二人目不妊かもしれない」という方に向けて、漢方・中医学ではどのように身体をみていくのかをまとめました。
2人目妊活に悩んでいる方にとって、少しでも参考になれば嬉しいです。
ひだまり漢方
薬剤師・国際中医専門員・国際薬膳師
塩澤明子(あっこ先生)

