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これから産まれてくる子ども達へ、そして未来の浜松への贈り物。浜松だからこそできた幸せのギフト『はままつ BABYBOX Project』

photo by Keita Otsuka

目次

フィンランド発 ベイビーボックスとは

皆さん、突然ですがベイビーボックスというものをご存知ですか? 北欧の国フィンランドでは子どもが産まれると政府から現金支給、もしくは育児支援パッケージが無料で贈られるそうです。中には育児に必要なものがいっぱい。衣服もあれば医療品などが50アイテム以上も入っているそうです。そういう事もあって、フィンランドでお子さんが産まれるとほとんどの方がベイビーボックスを選ばれるんだそうです。

フィンランドの社会保険庁(KELA)によるベイビーボックスの紹介動画

ベイビーボックスは赤ちゃんに対してのプレゼントという意味合いだけでなく、妊婦さんに対しても地域で支えるという国の想いがあり、この文化は80年以上も続いているそうです。その考えに共感する国や地域は世界中にあり、日本国内でも富山県富山市の「富山市ベイビーボックスプレゼント事業」や東京都渋谷区の「育児パッケージ贈呈事業」など育児政策が行われたりして、子育て世帯から注目が集まっています。

浜松にもベイビーボックスをっ‼︎ ママクリエーター立ち上がる‼

それほど素敵なベイビーボックスが国や地域から贈られてきたら嬉しいですよね。そこで立ち上がったのが、ろうけつ染めという染色技術を使って作品を作るアーティスト桂川美帆さん。

ろうけつ染めという日本古来の染色技術を使い作品を作るアーティスト桂川美帆さん

桂川さんは関東で1人目のお子さんを出産。旦那様の仕事の関係で浜松に移り2人目を出産したときに地域によって育児支援に差があることに気がつきました。政令指定都市であり移住者も多い浜松なのに育児支援が充分でないことに、「私だけでなく多くの人が育児に不安になっているのでは?」と感じられたそうです。

地元の魅力は外から来た方のほうが気がつきやすいもの。浜松には遠州織物など素晴らしい技術を持った会社が多くあること。そして地域で子どもをお祝いする浜松まつりという素晴らしい文化があることに気がつきます。

2021年10月に行われた桂川美帆さんの個展。新しい遠州織物の魅力を伝える個展でした。

「浜松の産業を活かして、地域で育児を支えられるベイビーボックスを作れば、浜松市民に受け入れられるんじゃないか?」

しかし、企画書を作り役所に提案するも話が進みません。「具体的な製品があり市民からの要望が高まれば、育児政策の一環として取り入れることが出来るかもしれない」という意見を聞いた桂川さんは自ら地元の企業をまわり、浜松だからこそ出来るベイビーボックス作り始めました。

浜松産ベイビーボックス完成っ‼︎

ベイビーボックスの企画書を手に協力してくれる企業探しに廻る桂川さん。企業側も「ベイビーボックスを作りたい」という相談だなんて初めてのことで交渉は難航します。しかし熱意を感じてくれたのか徐々に協力者が増えていき、ついに浜松産のベイビーボックスが完成しましたっ‼︎

さて、ここからが本題です。実際の商品に魅力がなければ惹かれませんよね。ライターの私、見て触らせていただきましたが、まさか浜松でこれほど実用性と愛情に溢れた赤ちゃんへのプレゼントが出来るだなんて驚きました。早速ですが内容を紹介させていただきます。


○スタイ

綿麻のヘリンボン生地と、綿ガーゼを組み合わせた、まんまるスタイ。遠州織物の風合いをいかした きなりカラーの優しい組み合わせは、リバーシブルで使え、コーディネートを選びません。

織・染・後加工まで、全て浜松で行われた綿ガーゼは、柔らかく吸水性にも優れているので、よだれの多い子でも安心。高田織布のしっかりとしたヘリンボン生地が、スタイルを程よくキープしてくれます。

photo by Keita Otsuka

協力:高田織布工場・古山株式会社・株式会社イワン・秋田整理有限会社・AULA SEWING SHCHOOL・BABYBOX Supporters


○抱っこまくら

赤ちゃん用の抱っこまくら。裏側は輪になっていて、パパやママの腕が通せるようになっています。枕の作りは丸く綺麗な頭のラインになるように仕立ててあります。

抱っこで眠りについたらそのままスムーズにお布団へ。老舗布団屋さんが丁寧に綿を組み、手触りなめらかな高密度の遠州織物で包み込みました。中綿は純綿、カバーは、古橋織布が今では貴重な「シャトル織機」でゆっくり丁寧に織り上げた高密度な綿生地です。

photo by Keita Otsuka

協力:古橋織布有限会社・北野綿行


○おくるみ

ふんわり柔らかな触り心地の5層ガーゼ生地で作りました。5層の内の真ん中の糸だけを染色。赤ちゃんの肌に直接色糸が触れない構造になっています。

ねんね期には「おくるみ」として、成長に合わせて、フード付きガーゼタオルやガーゼケットとしても使えます。

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協力:有限会社マサル織布・AULA SEWING SCHOOL・BABYBOX Supporters


○モビール

浜松市内のおもちゃ屋さんと一緒に、浜松産のヒノキ材と、「からみ織」の生地で作りました。空気の流れのあるところに飾ると、ゆっくりと動く様子が楽しめます。

くるくる回るたびに布目から光がこぼれて、優しい変化が楽しめます。家族みんながゆったりした気持ちになれますように。

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協力:ままごとキッチン tonton・有限会社遠州ネット・古橋織布有限会社・遠州織物工業協同組合・鈴木萌子


○手ぬぐい

浜松伝統の注染そめ工場と、デザイナーのコラボ手ぬぐい。注染手ぬぐいは、通気性が良く、柔らかな風合いが感じられます。型紙を掘り、防染糊を置き、染料を注ぎ込む。全ての工程が手作業で行われています。職人が丁寧に染めた伝統の風合いを、この地で育つ子供たちにも知ってもらえたらと願っています。

畳み方や用途によって、柄の見え方は様々。浜松の豊かな自然の中で、子供達が伸び伸びと育っていけますように。そんな願いを込めて、新しい「浜松柄」をデザインしました。

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協力:和田染工有限会社・AULA SEWING SCHOOL・桂川美帆


○バスタオル

脱色や染色、糊付け加工をせずに、糸本来の風合いを活かして織り上げた「きなりのまま」という製品をBABYBOXに取り入れます。繊細な赤ちゃんの肌に、安心して使えるタオルです。

ふんわり包んであげるだけで吸水できるので、肌に摩擦を起こしません。半分に折りたたむと、一般的な座布団と同じサイズになります。正方形になるので、赤ちゃんを包むのにもぴったり!

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協力:加藤タオル株式会社・遠州麺紬ぬくもり工房


○オリジナルBOX

箱は、浜松市内の印刷加工会社ペーパークラフトイトウさんで製作していただきました。しっかりした作りになっているので、思い出の産着やファーストシューズなどをしまって、メモリーボックスとしてお使いください。

フタは、マグネットで閉じられるようになっています。開け閉めも簡単なので、お子さまのおもちゃ箱としてお使いいただくのもいいかもしれません。永く大切にしていただけますと幸いです。

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協力:株式会社ペーパークラフトイトウ・村上亜沙美


○タグ

BABYBOXに入っている製品の「タグ」は、浜松市内の細幅織物会社 平織産業さんと、染色加工会社 武藤染工さんの協力で作ることができました。

昔ながらの「シャトル織機」で織り出した「綿テープ」に、手作業で「捺染」をしてもらいました。浜松で培われてきた伝統の技術が光る、BABYBOX Projectならではのタグです。

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協力:平織産業株式会社・武藤染工株式会社


以上、オリジナルBOXも入れて7点セットのベイビーボックス。子育て当事者の目線で考えて作られていますし、可愛らしくて贈り物にもぴったりです。何よりも地元の力で作られたものを赤ちゃんに与える事で、地域で育児を応援している気持ちにもなれるのではないでしょうか。

photo by Keita Otsuka

どうしてこれほど大変な事業を行おうと思ったんですか?

クリエーターという立場とはいえ、子育てで忙しい日々を送る桂川美帆さん。自分の仕事だけでなくベイビーボックスのために企業をまわったり、協力会社を取りまとめたりするのはさぞかし大変だっただろうと思います。しかも、そんなに手間ひまをかけて作ったベイビーボックスですが、市の事業として取り上げてくれるなら手を離れてもかまわないと言います。

「子育てを地域で応援することは大切なのはわかりますが、それにしても大変なんじゃないですか?」と率直に質問をぶつけてみました。

桂川さんのお子さんは2人とも女の子。仕事とはいえ親の都合で浜松で暮らすことになり、子ども達はいつかこの土地で子どもを産むかもしれません。そうなったときに育児支援制度が今と同じだったら申し訳がない。「行政が悪い」と言うのは簡単だけど、まずは自分たちでも出来ることはやるんだ。そのようにおっしゃられていました。

子どもは地域の宝です。浜松だからこそできた『はままつBABYBOX project』。ぜひ応援をおねがいします。(ベイビーボックスをより充実されるため、協力いただける企業様や置いていただけるお店も募集しています。)

はままつ BABYBOX Projectの企画・運営を行うBABYBOX Supportersの皆さん。

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子育ての想いだけでなく、浜松のモノづくりの力を感じていただける動画です。ぜひご覧ください。
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