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ナイスアイディア!大人気パン屋さんの食品ロスへの挑戦【パン工房サラブレッド】

目次

いつでも美味しいパンに出会えるワクワクするお店

株式会社大羽の経営するパン工房サラブレッド(以後、サラブレッド)。
2017年にオープンした有玉店はパンの生地の美味しさに定評のある人気店になりました。

店内には所狭しと常に100種類以上のパンが並び、閉店まで潤沢に取りそろえられています。
夕方にパン屋に行くとあまり種類がない・・・サラブレッドではそんなことはありません。

驚くのはお値段!とにかく安い!
100円以下のパンも沢山並び子どもに人気のプチフランク(税込92円)やハムマヨロール(税込86円)といった安さです。

有玉店一番人気は牛肉を贅沢に使用したカレーパン!

サンドイッチも人気があり、ランチに買いに来るお客さんもいます。
レジ横には無料のコーヒーもあるので焼き立てパンと一緒に楽しむことのできるという親切さ!

2021年には2号店である原島店もオープンしました。
原島店は水や原材料・配合も厳選し、こだわり抜いた材料を使用した焼き立てパンを提供し、ワインも並びます。
有玉店とは違うテイストで、セレクトショップのようなコンセプトを楽しむことができるお店となっています。

2号店の原島店 シンプルで可愛らしいお店

もったいないだけじゃない!食品ロスの現状

SDGsの広がりもあり「食品ロス」という言葉が知られるようになりました。
食品ロスとは、食べ残しや売れ残り、賞味期限が近いなど様々な理由により処分される「食べられるのに捨てられてしまう食品」のことをいいます。
もったいないのもさることながら、処分過程ではCO2も発生し、地球環境に負荷をかける原因の一つとなっています。

農林水産省の発表によると日本の食品ロスの量は年間570万t。(令和元年度推計値)

日本人の1人当たりの食品ロス量は1年で約45kgであり、
これは日本人1人当たりが毎日お茶碗一杯分のご飯を捨てているのと近い量になります。

日本は事業系食品ロス(スーパーやコンビニなど小売店での売れ残り・返品、飲食店での食べ残し、売り物にならない規格外品)を、2030年度までに2000年度比で半減するとの目標を立てています。

同様に家庭系食品ロス(家での料理の作り過ぎによる食べ残し、買ったが使わずに捨ててしまうこと、料理を作る時の皮のむき過ぎなど)についても2030年度までに半減させる目標を設定しています。

私たち一人ひとりが身近なところから食品ロス削減を意識し、少しずつでも目標に向かうことが大切です。

有玉店のコーヒー無料サービス 焼き立てのパンと一緒に楽しめる

食品ロス削減に成功した取り組みとは

サラブレッドでは食品ロス問題に着目し、自社でやむを得ず廃棄するパン「ロスパン」を削減する取り組みを始め、
原島店と有玉店の両店舗共、大幅な削減に成功しました。

■ rebake(リベイク)の活用

リベイクは北海道から沖縄まで日本全国のパン屋さんからお取り寄せができるサービス。
リベイクには「ロスパン」コーナーがあり、お得な値段で取り寄せることができます。

サラブレッドではこのシステムを利用し、当日に売れ残ったパンをその日のうちに冷凍し、
注文のあったお客様に発送しています。

リベイク専用の箱に1つ1つ違う種類のパンが入るように、そしてなるべく沢山入るように梱包し、
配送料税込み2,500円で販売しています。

かなりのお得感からリベイクでもサラブレッドは人気で、リピーターも多く、常に「待ち」や「購入制限」がある状態です。

リベイクのサラブレッドページはコチラから!

■ 子ども食堂への寄付

月に3回無料で子ども食堂へロスパンを寄付しています。

子ども食堂では味付けや具を入れていない「素パン」が喜ばれるため、
ウインナーロールのウインナーが入っていない状態のパンや食パン、
また、店頭には並べることはできない形の崩れたパンなどを中心に寄付しています。

どんな状態のパンでも素材にこだわり、手作りで焼き上げたパンなので大変喜ばれています。

■ ふるさと納税の返礼品

浜松市のふるさと納税の返礼品としてサラブレッドの「人気パンとロスパンのセット」を登録しました。
愛着のある故郷(ふるさと)に貢献したいという想いを叶えるとともにサラブレッドのおいしいパンも楽しむことができます。
サラブレッドのふるさと納税ページはコチラから!

サラブレッドの優れているところは、ロスパンの種類や状態によって提供先を変えているところでしょう。
提供先を使い分けることでロスパンを余すところなく有効活用できているのです。

食品ロス削減以上の成果

食品ロス削減に立ち向かったサラブレッドですが、同時に従業員のストレス削減にも繋げることができました。
従業員は朝早くから仕込みをし、愛情を込めて一つ一つのパンを作っており、
一生懸命作ったパンを廃棄することに心を痛めていたのです。

食品ロスへの取り組みにより、売れ残ったとしても「誰かのお腹に入ってくれる」「美味しいパンを味わってもらえる」こととなり、従業員の働きがいにも繋がりました。

食品ロスの削減、という目標ですが多数の取り組みにより、
「1:貧困をなくそう」「2:飢餓をゼロに」「8:働きがいも経済成長も」「10:人や国の不平等をなくそう」「11:住み続けられるまちづくりを」「12:つくる責任 つかう責任」「13:気候変動に具体的な対策を」「17:パートナーシップで目標を達成しよう」という数々のSDGs目標も同時に達成することとなったのです。

朝焼いたのに捨てられる…とにかくもったいなかった!

株式会社大羽の平出専務に今の想いについてお聞きしました。

「従業員の多くは女性で、私も女性です。
廃棄せざるを得ないパンを見て、女性ならではの視点で「もったいない!」という想いを毎日募らせたことが、今の活動に繋がりました。
従業員は朝早くからパンを愛情込めて一生懸命作っていて…そんなパン達が捨てられることなく、地元をはじめ日本全国のお客様のお口に入ることができるようになり本当に嬉しく思っています。

従業員の働きがいももっと何かできることはないかと…
私は育児と仕事を両立する大変さを経験した身ですし、子どもは宝物だと思っています。
リベイクを始めたことにより、小さなお子さんがいるママさんが隙間時間に自分のペースでできるお仕事が増えましたので、軌道に乗ってきたらそういった部分の雇用も広げていきたいと考えています。
おんぶをして来てもらっても良い、夏休み冬休みは子どもを連れてくる、っていうのが理想ですね(笑)」

食品ロスは企業だけでなく私たち一人ひとりが立ち向かわなければいけない問題です。
・食べられるものを食べられるだけ買う
・食べ残しはしない
・正しい賞味期限や保管方法を知る
・リベイクなどのサービスを利用する
など工夫次第でやれることは沢山あります。

お財布にも環境にも優しい行動を心がけましょう。

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