浜松の中心にある「鍛冶町通り」に軽トラックが大集合
年に1度、11月に開催される「軽トラはままつ出世市」は、生産者が軽トラックに新鮮野菜や特産物を載せて街の真ん中に集結し、対面販売をする朝市です。
大きな特徴は、名前からも想像できるように「軽トラック」が会場の中にズラーっと並ぶこと。
普段は農作業等で活躍している軽トラックが、今日だけはお店に大変身。
軽トラックといっても、様々な車種が揃い、装飾にも出店者それぞれの特徴があるので、大人も子どもも会場に行くだけでワクワクするイベントです。
軽トラックがお店に変身します
「鍛冶町通り」の約300mが歩行者天国に
「鍛冶町通り」は、JR浜松駅北口から徒歩約3分の場所にある、ショッピングモール「ザザシティ」や、うなぎパイで有名な「春華堂」本店などが立ち並ぶ大通りです。
いつもは車がたくさん通る鍛冶町通りですが、この道がイベントのメイン会場になります。
イベント時間は10:30~14:30で、約300mの道が歩行者天国になり、子ども達も安心して参加することができます。
※9:30~15:00まで交通規制が入り、鍛冶町通り及びモール街北側等は車で通行できません。
今年の出展者は浜松・浜名湖地域から計31店舗。自前の軽トラックで出店です。
会場は、新鮮な農産物や海産物、特産品を買い求める人達で賑わい、イベント開始前から並んで待つ人もいるくらいです。
たくさんの人で賑わう「鍛冶町通り」
道の真ん中を歩いてスタート、たくさんの店に子どもも大喜び
入口ではアルコール消毒と体温測定を実施。感染症対策も十分に実施されています。
混雑がないよう一方通行で歩く仕組みになっているので、多くの人で賑わう会場内でもスムーズに前に進むことができます。
また、道がとても広いので、トラック同士の間隔もしっかりとられています。
歩行者天国なので、普段は歩けない道路の真ん中に立てる特別感と、目の前にたくさんの軽トラックが並ぶ光景に子ども達も大喜び。
野菜や果物をはじめ、地域の特産品の販売や、パンやお菓子、クレープやチョコバナナの食べ物まで揃い、すべての世代が楽しむことができます。
開場30分で売り切れの商品もありました
店舗にはたくさんの種類の農作物が並ぶので、しばらく歩き続けると
「このお店にも、さっきのお店と同じ野菜売ってるね!」
と子ども達が気づくことができるのも、この朝市のいいところ。
歩きながら何度も目にする野菜は、この季節にたくさん収穫できる「旬」の食材であることを知ることができます。
旬の野菜が並びます
「おいしく食べてね!」
「ありがとう!」
買い物をするたびに、こんな会話が各店舗から聞こえてきます。
対面販売ならではの、楽しいコミュニケーションです。
生産者さんの顔が見れるので、安心して購入できます
生産者との会話には、子どもの学びがたくさん
「このミカンはね、育つときに隣りのミカンとの距離が長かったから、こんなに大きく成長したんだよ。」
買い物をしながら、農家さんが子ども達に、ミカンがここまで成長するまでの話もしてくれました。
サイズが違うミカンを比べながら、
「ミカンにはいろんな種類や大きさががあるんだよ」
と教えてくれて、子ども達も興味深々でした。
みかん農家さん
また、きくらげ農家さんのお店では、
「きくらげは、おが粉と言って細かくした木を集めたものの中に、菌を付けて育てるんですよ。」
と、栽培方法をわかりやすく教えてくれました。
きくらげはコリコリして子ども達も大好きな食材ですが、実は「菌」から成長するなんて!と、子ども達も驚きの様子。
この朝市には、生産者さんとの会話を通して、子ども達が食材に興味を持つきっかけがたくさん溢れています。
きくらげ農家さん
楽しく歩きながら、地元の特産品も学べる
「軽トラはままつ出世市」の見どころは、農作物だけではありません。
地元に残る伝統工芸の一つである「阿多古和紙」や、天竜美林の山で育った木を使用した雑貨など、食品以外にも地域の特産品が並びます。
「浜松にはたくさんいいものがあるので、地元の特産品を地元の方に知ってもらえれると嬉しい」
と出店者さんがお話していました。
天竜美林の山で育った木を使用した雑貨
2年ぶりの開催を、地元みんなが待ち望んでいた
「2年ぶりの開催に、とても嬉しい想いでいっぱいです」
そう話すのはイベントを主催する浜松商工会議所の尾頭さん。
地域の活性化と農業の振興に向けて今年で8回目を迎えるこのイベント。
昨年はコロナウイルスの影響で中止となりましたが、
今年は会場内での飲食物の食べ歩きを制限し、農作物等の試食もカット。
子ども達のダンス等の出し物の中止を決めたりと、出店者さんをはじめ地元の方達の協力や理解を得ながらこの日を迎ることができたそうです。
毎年、出店側も希望者が多く調整が必要なくらい人気の朝市。
「イベントが軒並み中止が続く中でも、このイベントが開催することで販売できて嬉しい。」
「消費者の笑顔に直接会えることで、更に美味しい野菜を作る力になる」
出店者からこんな声もあったりと、開催を待ち望んでいた様子がとても伝わってきました。
主催する商工会議所の皆さん
食べることは、農業を応援することに繋がる
地域のものを食べることで、農家さんが潤い、また美味しい野菜を作ってもらうことができます。
こんな風に、食べて農業を応援することが、地域に良い循環を生むことに繋がっていきます。
おいしく食べることをはじめ
生産者さんに会う、実際に話してみる、買ってみる、ということも
このようなイベントを通して、子ども達に楽しく実践できる食育の一つ。
家で野菜を食べる時には
「このお野菜を作った人に会えたね!一生懸命作ってくれたお野菜、おいしいね」
など、イベントから広げたママの声掛けもおススメです。
「軽トラはままつ出世市」は、子ども達も楽しみながら食に興味を持てる朝市です。
ぜひ、お子さんと一緒に参加してみてくださいね!
また、来年も楽しみです