2016年キネマ旬報ベスト10入り!!
みなさん、こんにちは。
オンモプラス映画部のaranyosです。
先日、キネマ旬報の2016年ベスト10が発表されました。
日本映画の堂々1位に輝いたのは
この世界の片隅に
そして7位が
湯を沸かすほどの熱い愛
でした。
今現在もロングラン上映中で、あれだけ大ヒットとなり、世界各国で上映され大絶賛されている「君の名は。」がベスト10にランクインしていない!?、ということで物議を呼んだキネマ旬報ランキングですが…
それはさておき、今回はその2作品
『この世界の片隅に』
『湯を沸かすほどの熱い愛』
についてご紹介したいと思います。
『この世界の片隅に』
注目すべきは『この世界の片隅に』が、ネット上で映画作成費を寄付で募る、クラウドファンディングによって「この映画が観たい!」という熱い想いが大集結して作られた作品である、ということです。
原作は、双葉社から出ている、こうの史代さんの漫画
『この世界の片隅に』。
ざっとあらすじ…
太平洋戦争下の広島。
18歳の主人公すずは、広島市内から軍港の町・呉へお嫁に行きます。
まだ18歳で幼いながらも、身体の弱いお姑さんに代わって、一家の家事を担います。着物を繕ってモンペを作ったり、食べ物が乏しい中、食材を工夫したり、婦人会の寄り合いに出たり。
映画のあちこちに描かれる、些細な日常の工夫の数々に、主婦としてもすずさんがぐっと身近に感じられます。
また、どこか「遠い昔の出来事」のようにとらえられがちな戦時中の生活も、「今とさほど変わらない普通の日々」のように感じられてきます。
そこにジワジワと迫ってくる戦況の悪化…
連日連夜の空襲。
身近な人の戦死。
焼け野原になった市街地の景色。
身近に感じた後だからこそ、この恐怖や不気味さをより近くに感じるのでしょう。
広島に原爆が落とされた朝。
山越しに見えた閃光や、地震の様な揺れ、膨れ上がるキノコ雲。
爆風に乗って飛んできた戸板や紙片。
仲の良かった家族が、1人消え、2人、3人と消えていく。
今まで「戦時中の出来事」と、自分とは遠く離れた出来事だったことが、身近に自分のことのように真に迫ってくる感覚は、なかなか今までの戦争映画にはなかったことだと思います。
「戦争映画」というよりは「日常映画の中に戦争が入ってきた」感じでしょうか。
だからこそより一層「戦争は嫌だ」という思いにかられます。
原爆投下時の、キノコ雲の下の描写が凄まじいです。
それまでのホンワカ路線と打って変わって、ただただ静かな無声映画の様な不気味さ・悲惨さ。
「戦争はダメだ」
と口で伝えるのはなかなか難しい。
でも、この映画を観れば、五感に直接訴えかけられ、自分の内側から「戦争は嫌だ」という思いが沸き上がってきます。
グロくないです。ホンワカした可愛らしいアニメです。
すずさんの声を担当する”のん”さんがはまり役です。
お子さんと一緒に観るのもオススメです。
作品が終わっても、エンドロールの最後まで席を立たないでください。
…というか、作品が終わったら打ちのめされてすぐには立てないとも思いますが…
エンドロールの先に、少しの希望や、「それでも生きていかなければ!!」と思える、日常生活の強さがあります。
上映している劇場は限られますが、探してでも見る価値は大有りだと思います。
超多忙な宮沢りえさんが、無名監督のオリジナル脚本を読んで、
出演を即決したというほどの、涙と笑いの熱い話です。
また、宮沢りえさんは、この作品でキネマ旬報の個人賞「主演女優賞」を受賞もしています。
《あらすじ》
家族で銭湯「幸の湯」を営む幸野家。
父が1年前にフラッと蒸発し、銭湯は休業。
それ以来、母・双葉はパートで家計を支えながら娘と生活していた。
そんなある日、パート先で倒れた双葉に突然の「余命2カ月」宣告が…
残された僅かな時間。
双葉は「絶対にやるべきこと」を決めて、実行していくのだった。
□家出した夫を連れ戻し、銭湯を再開する
□気の弱い娘を独り立ちさせる
□娘をある人に会わせる
リストが実行されるにつれて、明らかになっていく家族の秘密。
双葉の熱い想い。
ごめんなさい!!!!
…これ以上は書けません。
全あらすじもネタバレサイトも、何も見ないで、この映画に望まれることをお勧めします。
私、「泣かせる映画」というキャッチコピーは好きではありません。
よって、アマノジャクな私はハンカチを持たずに観に行きました。
結果…
袖口が鼻水と涙でグチャグチャになりました…
ハンカチをお忘れなく(笑)