冬休み、親子で観る作品の1本にいかがですか?
第二次世界大戦中、ナチスドイツによって行われたユダヤ人の迫害。
それを実際に経験した生き証人がどんどん少なくなってきている昨今。
その黒い歴史を語り継ぎ、決して繰り返さない教訓とするかのように、
ここ数年は毎年多くのホロコースト映画が作られています。
今回ご紹介させていただく映画は、
『ユダヤ人を救った動物園~アントニーナが愛した命~』
という作品。
目を背けたくなるような戦闘シーンや、迫害シーンは多くないので、
「文部科学省選定」「年少者映画審議会推薦」作品となっています。
特に年少者映画審議会の「年少者向け」と選定される基準には
〇生命の尊さを自覚させ、愛情をはぐくむ
〇行動規範を身につけ、倫理観・正義感を高める
〇社会的視野を広げ、他者への想像力を醸成する
〇知識・教養を養う
などがあります。
この『ユダヤ人を救った動物園』、まさに子供たちに観てほしい秀作です。
史実ですから、「ネタばれ無し」というのは無理にしろ、
物語の核心には触れないようにご紹介させていただきますね。
《 ザッとあらすじ 》
ポーランドのワルシャワで動物園を営んでいるヤンとアントニーナ夫妻。
動物と寝食を共にし、毎朝自転車で動物園内を駆け回り、園内のすべての動物に愛情を注いでいるアントニーナは、動物と心を通わすことができ、「動物園のイブ」と夫ヤンから称賛されているほどだった。
ヤンとアントニーナそして息子のリシュ、共に動物園で働くユダヤ人を含む仲間たちと、穏やかで愛に満ちた生活を送っていた。
しかし、ナチスドイツによる突然のポーランド侵攻…
強制連行され、狭いゲットーに押し込まれていくユダヤ人の仲間たち。
「この動物園の地下をユダヤ人の隠れ家にしよう」
というヤンの提案をアントニーナも受け入れる。
ヤンとアントニーナ夫妻の友人ヘックは、ナチス直属の動物博士。
ナチス上層部の命令により、動物園の存続も危うくなる中、ヘックの理解を得て、「動物園を養豚場にして、兵士の食料を賄う」という策で動物園の閉鎖は免れる。
ゲットーから出る残飯を豚の餌にする、ということで、ゲットーに出入りし、ゴミに紛れさせ、毎日数人ずつユダヤ人をゲットーから連れ出すヤン。
夫の外出時、一人で何人ものユダヤ人を匿う「隠れ家」を守るアントニーナ。
幾度もの危機を乗り越えながら、二人はどうやって300人ものユダヤ人を救い出したのか…
単なる「過去の出来事」ではなく「現代にも通じる」人の在り方
ユダヤ人の友人がある日突然連れ去られたり、
ドイツ人の友人が徐々に支配者と化していったり…
救いたい、救うべき命は目の前に無数にあるのに、何もできない時。
自分の信じる正義を貫こうとするために、危険を冒さねばならない時。
戦時中であり、ワルシャワでのことを描いてはいますが、
時と場所、人種は違えど、これは現在も世界のあちこちで起こっている
問題ともいえるのではないでしょうか?
戦時下であれ、平常時であれ、人はどうあるべきか…
ということを深く考えさせられる作品だと思います。
上映劇場情報
浜松の周辺では…
●TOHOシネマズららぽーと磐田 公開中
●ユナイテッド・シネマズ豊橋18 公開中
●シネマe∼ra 2018年2月17日より公開予定
その他の地域では…
全国劇場情報をチェックしてみてください♪
『ユダヤ人を救った動物園』公式サイト