生物多様性について子ども達に届けたい。劇団たんぽぽと昆虫食倶楽部とのコラボレーション
いきなりですが、生物多様性って何でしょう。あまり馴染みのない言葉だと思います。
…う〜ん、Wikipediaに書かれている説明文をコピペすれば説明が楽かと思ったのですが、なんかちょっと難しい…。出来るだけわかりやすくお届けします。
生物多様性とは、生き物の豊かな個性と生物同士の繋がりのこと。生物は長い間をかけて進化していきました。その過程の中で食べたり食べられたり、繁栄したり絶滅したり、生態系というものが産まれバランスをとりながら今の自然というものは成り立っています。
それは我々人間の生活にも密接に関わっていて、生物多様性により豊かな『食』が保たれたり、自然の自浄作用が行われてきました。
しかしながら、人間がペットとして(もしくは何かしらの事情で人の手によって)生物の生環境を変えてしまったことにより、外来生物による生態系の乱れが起き絶滅してしまったり、絶滅に瀕している在来生物も多くいるのが現状です。
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以前にKOSODATE BASE 浜松でも、佐鳴湖を拠点に外来種の亀を駆除している昆虫食倶楽部の活動を紹介させていただきましたが、今回紹介する劇団たんぽぽの新作『このこどこのこ』は、この外来種問題について子ども達に伝えるための演劇作品です。
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演劇という表現を使って子ども達を見守ってくれている。みんな大好き劇団たんぽぽ。
劇団たんぽぽについて少しおさらいしていきましょう。
浜松で育った方の多くは劇団たんぽぽをご存知ですよね。「初めて演劇というものを体験したのも劇団たんぽぽの公演だ」という方も多いと思います。
劇団たんぽぽは浜松を拠点に、南は沖縄・北は北海道まで日本全国の子ども達に演劇を届ける劇団。劇場での公演以外にも学校での演劇公演なども行っています。
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今回の新作『このこどこのこ』は劇団たんぽぽの皆さんが、昆虫食倶楽部が主催する外来種問題についてのフィールドワークに参加し、その活動に感銘を受けたことがキッカケでした。
生物多様性、外来種問題、生物の命とは…。大人だって頭を抱えるような難しい話です。
しかし、この活動を子ども達にも伝えていきたい。豊かな自然を何世代も残していきたい。演劇という形で子ども達に観てもらえたら興味を持ってもらえるんじゃないか。
そして、今回の『劇団たんぽぽと昆虫食倶楽部コラボレーション』企画がスタートしました。
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テーマは重く難しいけど、エンタメ溢れる楽しく豊かな舞台に。
この作品「このこどこのこ」は、とある少年がペットのカメ(ミシシッピアカミミガメ)を飼うのが面倒になり、川に逃そうとしたところから物語が始まります。
川に生きるユニークな日本固有の生物(在来種)と出会い交流しながら、在来種の棲家や食べ物を奪う外来種という存在のことを知ります。しかし恐ろしいと思っていた外来種の生物もただこの場所で必死に生きているだけで…
この後は、お芝居を見てのお楽しみ…。
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演出を担当していただいたのは、振付家・ダンサー・演出家の酒井麻也子さん。
人の動作を演出するのが得意とあって、ストーリーに合わせて役者の動きを細かく調整し、時には流れる川のように動いたり、川の生物に変化したり、歌やダンスに見ていてワクワクするようなお芝居に仕上がっています。
もちろんただ楽しいだけではなく、本質的なテーマはちゃんと届けてくれるお芝居になっています。きっと子ども達も心の中に何かを持ち帰ってくれるはずっ‼︎
おっと、子どもだけじゃないですよ。大人に観ていただいてもグッと引き込まれるはずです。
まだ稽古段階ですが、私は感動しちゃって演劇の世界に没入してしまいました。
初回公演、2025年1月19日はさらにお楽しみ‼︎ スペシャルバージョンでお届けします。
演劇作品『このこどこのこ』は新年明けてすぐの2025年1月19日㈰が初めての公演になります。
この後も未定ではありますが、公演は行われるとは思います。しかし、この初演がスペシャル回でお得なのでぜひ皆さん来てくださいっ‼︎
お楽しみポイント その①
演劇公演後に、昆虫食倶楽部代表の夏目恵介さんによる講演があります。
講演とはいってもそんなに堅苦しい感じじゃないのでご安心ください。外来種問題について優しく丁寧に教えてもらえます。
さっきまで出演していた川の生物の名前も出てくると思いますので、思い出しながらお話を聞いていただければより楽しめると思います。
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お楽しみポイント その②
浜松在住のミュージシャン吉田朝麻さんが、お芝居に合わせて生で音響効果をつけてくれます。
演劇というライブ空間だからこそ可能な演出。水の音や怖い音。お芝居を盛り上げる音の効果をライブで表現してくれるのはとても贅沢な試みです。
稽古場では「ここでおもちゃ箱をひっくり返したような音を表現してっ」とか、不思議な指示が飛び交っていました。
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劇団たんぽぽ以外にも、浜松の方々みんなで作った演劇です。ぜひ観にきてください。
この作品は劇団たんぽぽ・昆虫食倶楽部だけでなく、多くの浜松の方が関わってできた演劇作品です。
音響効果にミュージシャンの吉田朝麻さん。劇団たんぽぽと一緒に脚本を書いたのは浜松市でライターをやっているタテイシヒロシさん。舞台美術で八木更紗さん(静岡文化芸術大学)。衣装デザインで植田琴未さん(静岡文化芸術大学)。チラシデザインに根本七海さん(ルネサンス デザイン・美容専門学校 卒業生)。オープニング&エンディング曲の提供をしていただいたのは浜松出身のミュージシャンのやはたえみさん。
みんなの想いが集まって、一つの演劇作品が完成しました。
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豊かな自然を次の世代に受け継いていくために。お子様も大人も、多くの方に観てもらいたいお芝居だと思います。稽古を見させていただき、きっと多くの方に喜んでいただけるお芝居だと確信しました。
ぜひ、2025年1月19日の本番をお楽しみに〜‼︎