なんともう11月も後半戦。だんだんと次の年が近づいてまいりました。
このシーズンに楽しみな恒例のイベント言えばこちら『根洗ワークショップシリーズ やったことないをやってみる』がまた開催されます。
0歳から100歳まで、男性・女性、よくわからない性、国籍、すべて関係なし。宇宙人・地底人・半魚人もご参加あれ。人気のイベントです。どうぞ記事をお読みください。
やったことないことってなんだろう。やったことないことは面白い?
「やったことないをやってみよう」不思議なタイトルのイベントですね。こちらのワークショップは何をやるのかはわかりません。いや、言い換えます。「やったことない」をやります。その日の天気や気分、参加者の雰囲気によって、アーティストと一緒に何かをやってみるイベント。したがって現段階では何をやるのかはわかりません。
「そんな怪しげなイベント参加できないよ」
なるほど、そう考える人がいてもおかしくないですね。でも考えてみてください。
人は皆、赤ちゃんだったのです。赤ちゃんはやったことない事が全て。大人になるといつの間にか″初めて″のことに臆病になったり不安になったりするものですが、自分が子どもだった頃を思い返してみれば、初めての体験に対して「何これ〜‼︎」「おもしろいっ‼︎」と感動し、「またやりたい。次はいつだろう」と心待ちにしたものです。
なので、このイベントの時間は一緒に子どもになっちゃえばいい👍
去年のイベントの中でとあるお母さんがおっしゃられていた言葉が印象的でした。
「わたし、今日お母さんやめちゃおう‼︎」
それ、良いと思います。ちゃんと子どもたちをちゃんと安全に見ている大人もいます。お子様連れの親御さんはこの時間だけでも育児を放り投げて、みんなで一緒に『はじめて』に感動してみましょう。
イベントの主催は社会福祉法人ひかりの園。福祉施設が社会に窓を開くのはなぜ。
このワークショップシリーズを主催するのは、社会福祉法人ひかりの園。ひかりの園は特別養護老人ホーム『静光園』、知的障がい児通園施設『浜松市根洗学園』の他、生活介護施設やグループホームなどを運営する団体です。
そのため、ワークショップに参加される方は、一般の方もいらっしゃいますが、施設を利用している高齢者の方や、障害を持った方も一緒に参加されます。
皆さんの身の回りには、高齢者や障害者と呼ばれる方はいらっしゃいますでしょうか。身近にいる方もいると思いますが、そうでない方もいらっしゃると思います。実際に多くの福祉施設は私たちの生活する社会から少し離れた場所で活動をされている事も多く、このようにオープンなイベントを定期的に行っている福祉施設は珍しいと思います。
あえて『健常者』という言葉を使いますが、私たちの社会は健常者が暮らすことを軸にして成り立っていると思います。
健常者にもいろいろな方がいる。声の大きい人もいれば小さい人もいる。有名な人もいれば無名な人もいる。政治家の方で「生産性」という言葉を出して炎上した方もいましたが、今の社会は生産性ばかり求められて居心地が悪かったりすることも…あるのではないでしょうか。
アーティストが行う非言語的なコミュニケーションの場では、普段は『障害』と呼ばれる個性を持った方がナイスプレーをされることが多々あります。逆に常識に囚われカチコチの方は調子が掴みづらいかも。
″効率的に行為を行う″のではなく″出来るだけゆっくりやってみよう″。それに価値があってもいいじゃない。一見くだらないこともやってみなければ気が付かない事もあります。
まぁ、あまり難しく考えず。ちょっと不思議な遊びの時間です。お気軽にお越しください。
“やったことない”に誘導してくれる、4人のアーティストを紹介します。
ワークショップシリーズ「やったことないをやってみる」では、各回毎にアーティストを招きファシリテーターになっていきただきます。音楽家、演劇家、作業療法士、ダンサー・振付師。このメンバーの肩書きを聞いて、なんとなく「こんな事やるんだろうなぁ〜」と想像されると思いますが、おそらくそれはやりません。
というか、アーティストの皆さんは、なんとなくのキッカケを与えるだけ。何かを積極的に誘導はしません。
前回、ダンサーで振付師の砂連尾理さんの回は、最終的にはみんな好き勝手やっていました。それでも大丈夫。怒る人はいません。一緒に楽しいことを発見してみましょう。
2024年12月7日㈯ 14:00〜
浜松市まつのき保育園ホール
浜松市中央区西伊場町7−4
音楽家 片岡 祐介
音楽家。子供のころから作曲や即興演奏に興味を持ち、木琴やピアノの演奏の演奏を自己流で始め、東京音楽大学で打楽器を学ぶ。映画やコマーシャル音楽での経験を積んだ後、1997年から2000年まで、岐阜県音楽療法研究所にて研究員として勤務し、障害児者との演奏活動の他、音楽療法士のための実践的な講座や、幼児から高齢者までの幅広い人を対象に即興演奏のワークショップも行っている。
2025年1月11日㈯ 14:00〜
浜松市福祉交流センター 41ギャラリー
浜松市中央区成子町140−8
演劇家 柏木 陽
演劇家。劇作家。演劇家の如月小春と共に活動し、アジア女性演劇会話事務局、兵庫県立子どもの館の野外活動劇ワークショップなどに新たな演劇の可能性を探る現場に関わる。03年特定非営利法人演劇百貨店を設立し、代表理事に就任。現在もワークショップの進行役として、全国各地の劇場、児童館、美術館、学校で子どもたちと独自の演劇空間を創り出している。和光大学、桐朋学園芸術短期大学などで非常勤講師を務める。
2024年3月1日㈯ 14:00〜
浜松市福祉交流センター 52・53多目的室
浜松市中央区成子町140−8
作業療法士 川口 淳一
作業療法士。学生時代より演劇を用いた学習障害児のコミュニケーション活動やワークショップ、高齢者施設での演劇裏方活動など実施。長崎市内の病院に勤務後、介護老人保健施設ふらの(北海道)へ起任。副施設長として勤務する。2008年より結城病院(茨木県)に起任。現在結城病院リハビリテーション部作業療法科科長。
2024年3月2日㈰ 14:00〜
浜松市福祉交流センター 52・53多目的室
浜松市中央区成子町140−8
ダンサー 振付家 砂連尾 理
ダンサー。振付家。1991年寺田みさことダンスユニットを結成。近年はソロ活動を中心に、舞鶴の高齢者との「とつとつダンス」、宮城・閖上(ゆりあげ)の避難所生活者への取材が契機となった「猿とモルターレ」、音楽家・野村誠との「家から生まれたダンス」等を発表。濱口竜介監督映画「不気味なものの肌に触れる」への振り付け・出演等。
受験には役立たないけど、人生には役立つかもしれない。そんなワークショップにぜひお越しください。
「やったことないをやるから、どんなワークショップかはわからない」とは書いたものの、それだけしか情報がないのはちょっと不安だ…という気持ちもわかります。私なりに感じた「ワークショップで得られるもの」のヒントを書き出してみましょう。
- 学校や受験で役に立つことは得られません。
- 校長先生の前でやると怒られることは覚えて帰れます。
- 親子同士、友人同士、初めて会った人と仲良くなれるかもしれません。
- 自分と他の人との気楽な距離感が掴めます。
- 人っていっぱいいておもしろいなって思えます。
- 変な大人でも生きていられるんだってことがわかります。
- 人生で困ったときに、ワークショップを思い出してヘラヘラしてられます。
くだらないことに思えて、楽しく生きるにはこんなことが重要な気がします。頑張って勉強して一流の企業に勤めたって、いつその企業が倒産するかわからない時代なんですから、脳を柔らかくして人生を楽しんでいきましょうっ‼︎
ワークショップシリーズはすべて参加費無料。いちおう予約制ですが、当日でも大丈夫と思われます(出来るだけご予約いただけた方が主催者が安心します)。持ち物は『楽しむ気持ち』だけ。特に初めましての方、遊びに来てみてくださいね〜。
お申し込みは、下記の予約受付フォームから応募いただくか、担当の大橋宛にメール(m-ohashi@hikarinosono.or.jp)かFAX(053−430−0597)で①参加講座日 ②お名前 ③連絡先 ④複数で参加される場合は、参加される方の人数やお名前をお送りください。