浜松地域の子育てママ向けスマホメディア「オンモプラス」が2022年12月にリニューアル。
KOSODATE BASE 浜松(子育てベースはままつ)として生まれ変わりました。

浜松百撰さん、今までありがとうございました。これからもみんなで楽しい街を作っていきましょう‼︎

目次

浜松の文化を見守り続けてきたタウン誌『浜松百撰』。みなさんご存知ですか。

皆さんは、浜松百撰というタウン誌をご存知ですか。手に取ったことはなくても名前は知っている。表紙は見たことある。いやいや毎月かかさず手に取っているよ〜。いろいろな方がいらっしゃると思いますが、長く浜松に住んでいる方は何かしらその存在を耳にしたことはあるのではないでしょうか。

浜松百撰最新号であり最終号。表紙イラストはいきものだものさん。

浜松百撰の創刊はなんと1957年12月1日(1957年というと、日本で初めてコカコーラが販売された年なんですって。…って言われてもあまりよくわかんないか)

創刊から66年と4ヶ月。浜松百撰2024年3月号をもって最終号となりました。編集部の皆さん、長い間浜松の文化を支えてくれてありがとうございました。

この記事が直接″子育て″に関係しているかどうかと言われれば何とも言えないですが、歴史の積み重ねがあるからこそ今がある。浜松の街は先人から受け継いだものであり、今の生活があるのだと思うと、この街の魅力を支え愛されてきたタウン誌『浜松百撰』に感謝の気持ちでいっぱいになります。

そんな想いを胸に、佐鳴台にある浜松百撰の編集部に遊びに行ってきました。

浜松百撰の編集部にお邪魔しました。

浜松百撰の編集部は浜松博物館の道路をはさんで向かいあたり。佐鳴台にあります。

編集部っていうと新聞や資料が山のように積まれてて、徹夜しているおじさんがソファーで仮眠している…みたいなイメージが勝手にありましたが、百撰の事務所は静かで落ち着いた空気が流れる優しい場所。編集長の安池真美さんとお茶を飲みながらおしゃべり、おしゃべり。

「せっかくなんで、千客万来に何か書いていってください〜。もう紙面には載らないんですけどねぇ。」

浜松百撰のテーブルには『千客万来』というノート。

編集部に遊びに来られた方が近況報告やメッセージなどを書くと、浜松百撰の千客万来コーナーに掲載してくれます。もう百撰は無いのでただメッセージを書くだけだけど、こういうことの一つ一つが浜松百撰を送り出している気持ちがして、大切な儀式のように感じます。

安池真美さんは四代目の編集長。平成20年から引き継がれました。二代目の編集長がお父様で、三代目がお母様。特に世襲制というわけではなく「誰もやる人がいなかったから、何となく編集長に…」とおっしゃられていましたがそれでも約16年。長きにわたって浜松の文化を支えてくれていたって考えるとありがたい限りです。

編集部に残っていたお宝。アンパンマンの作者やなせたかしさんのサイン。
俳優の篠井英介さん、ブッタとシッタカブッタの小泉吉宏さんのサインも。ちなみに小泉さんは浜松市出身です。

浜松百撰の創刊のきっかけは銀座百点というタウン誌だったそうです。(ちなみに銀座百点は今も現役で発行されており、日本最古のタウン誌といわれています。)

銀座百点のことを知った静岡日日新聞の記者さんが同志を集め静岡百点を発行。それが好評だった事から浜松でも会員を募り、趣旨に賛同した100店舗が集まったところで第一号の浜松百撰が発刊されたそうです。

そういった事もあり、当時は企業のPR誌という側面が多かったみたいですね。

すでにボロボロになってしまっている創刊号。紙面は横向きだったんですよ。
創刊号の中面。趣旨に賛同していただいた100のお店が掲載されています。

実は私、KOSODATE BASE浜松でモノ書きする7年ほど前に、私の企画したイベントで浜松百撰に掲載していただいたことがあったんです。その時、とっても嬉しくって。

たかが一市民の私が企画したものが、浜松の文化を見続けてきた本に紹介していただけるだなんてメッチャ嬉しいじゃないですか。その時のお礼を伝えたら「浜松百撰は、立場の上下ではなく市長も市民もみんなフラットである紙面作りをすることを意識して編集してきました。だからお礼なんていいですよ。」って言っていただきました。

えへへ、そんなことを言っていただいたら、余計に百撰がなくなっちゃう事が寂しくなっちゃいます。

浜松百撰といえば表紙のイラストも魅力の一つ。浜松にゆかりのある作家さんが描いているんです。最新刊にはバックナンバーの表紙が全て掲載されてますよ〜。

いつもそこにあると思ってたもの。終了は寂しいね。だけど浜松百撰にはいつでも会えるよ。

66年と4ヶ月。浜松の文化の隣にはいつもあった浜松百撰が終了を迎えるというものはやっぱり寂しいもの。「もう浜松百撰のバックナンバーを見ることはできないの?」

大丈夫です。1957年12月の創刊号から2024年3月の最終号までの全796冊の浜松百撰は、浜松市中央図書館で保存され2階で閲覧できる他、5月以降ははまこら(浜松市民協働センター)でも見れるようになります。

年代ごとに丁寧にファイリングされた浜松百撰バックナンバー。

自分たちが産まれた年のこと。結婚した時や子どもが産まれた時とか、過去の浜松百撰を見てみると面白い発見があるかもしれませんね。

そして、浜松百撰という一つのメディアがなくなった今。ノスタルジーに浸ってるだけではいけません。今ここに住む自分たちのため、そして子どもや孫たちのため。私たち自身が小さな浜松百撰となって地域の文化に目を向け大事にしていき、そこで交わる人間関係を豊かにしていく必要があるのだと思います。

一緒にこの街を作っていきましょう。楽しい街にしていきましょう。それが私たちに託されたバトンだと思います。

3月22日まで編集部は空いてるから、よかったら遊びに行ってみてね。

佐鳴台にある浜松百撰編集部。3月22日までは空いているそうですので「よかったら遊びに来てくださいね」という事でした。特別重要な用事がなくとも、ちょっと覗いてみるだけで面白いかもしれません。思い出のエピソードを聞いてみたり、過去のバックナンバーを見てみたり、上に掲載した以外にもたくさんの色紙もあるので見てて飽きないですよ。

平日のみの土日はお休み。用事で出ているときもあるのでいらっしゃらなかったらごめんなさい。気軽にフラッとどうぞ。

Links

こっそりおまけ

最終号の表紙のイラストの左下に、何となく見たことある二人の女性。ん…、もしかして?

イラストを担当したイラストレーターのいきものだものさんに聞いてみたらやっぱりそうでした。このお二人、浜松百撰編集部の安池さんと下井さん。厳しい中でも浜松百撰をギリギリまで続けていたお二人に感謝を込めて、無理を言って描かせてもらったそうです。(ちなみに浜松市の上部にいるワンちゃんとネコちゃんは、今は亡き浜松百撰の看板動物のシューベルトとミナミちゃんだそうです。)

あぁ…やっぱり浜松百撰って愛されてるな…。こうやって編集部の二人の想いが本になって保存されていくの…素敵ですね。

改めて、浜松百撰さん、ありがとうございました‼︎

目次