■ 庭で育てた落花生が、食べ頃になりました
浜松の我が家の庭で育てていた落花生を、先日ようやく収穫しました。収穫してからは2週間、しっかり乾かして、この日が来るのを待っていました。
「今日はこれで、ピーナッツバターを作るよ!」
そう声をかけると、子どもたちは大喜び。殻むきからローストまで、今回はほとんどの作業を、子どもたちと一緒にやってみることにしました。子どもたちの頑張りを、順番にご紹介します。
■ 庭先でみんなで殻むき
家の庭先に落花生をどさっと広げて、みんなで殻むきのスタートです。
地面にこんもりと山になった落花生を前に、下の子はしゃがみ込んで、小さな手で殻をつかみます。パキッと割れると、中から薄いピンク色の豆がころん。それをボウルに移していく姿は、なんともいえず真剣でした。
しばらくすると、上の子からアドバイスが。
「靴で踏むとパキッとしてやりやすいよ!」
さっそく試してみると、これが大正解。手でむくよりずっとはやくて、作業のスピードが一気にアップしました。上の子の発見に、親の私が感心してしまいました。
むいた殻は、トレイの上にどんどん積み重なっていきます。山のようだった落花生が少しずつ減って、ボウルの中の豆が増えていく。作業が目に見えて進んでいくことも、子どもたちのやる気につながっていたようです。
3人で黙々と殻をむくこと、なんと1時間半。集中して手を動かし続ける子どもたちの姿に、「こんなに頑張れるんだなあ」と、うれしくなりました。

■ 豆を選別して、鉄板にずらり
殻をむいたあとは、ローストする豆の選別です。黒っぽいものや細いものは外して、ふっくらきれいな豆だけを鉄板に並べていきます。
豆を選ぶ時間は、子どもたちがじっくり豆と向き合う時間でもありました。一粒ずつ手に取って、形や色を見比べる。そんな小さな観察も、大切な体験です。
踏み台に乗ってキッチンに立った下の子は、鉄板いっぱいに並んだ落花生を、身を乗り出して見つめていました。自分たちで庭からむいてきた豆が、こんなにたくさん。小さな背中が、なんだか誇らしげに見えました。

■ オーブンレンジの前から離れない!
ローストは160度で20分。オーブンレンジにセットして、スタートです。
ここからが、子どもたちの本領発揮でした。
「まだかなー、まだかなー」
オーブンレンジの前に陣取って、中をのぞき込んで離れません。庫内でだんだん色づいていく落花生を、順番に見守っていました。
20分は、子どもたちにとってはとても長い時間だったはずです。だからこそ、焼き上がった瞬間の喜びは格別でした。
焼き上がると、「できたー!」と大きな声で走ってきて、鉄板の上の熱々のピーナッツをじーっと眺めていました。キッチンに広がる香ばしい香りが、期待をさらに高めてくれます。
■ すり鉢とすりこぎで、薄皮むき
粗熱がとれたら、次は薄皮むきです。ボウルやすり鉢に豆を入れて、すりこぎで軽くゴリゴリとこすっていきます。
上の子は踏み台に乗って、すり鉢の中の豆に手を伸ばします。1粒つまんではすり鉢に入れて、すりこぎでゴリゴリ。力の加減を確かめながら、ていねいに進めていきました。
大きい粒も小さい粒も、上手にむけています。むいては次の豆を入れて、またゴリゴリ。この繰り返しを、根気よく続けてくれました。
すり鉢のそばには、むいた薄皮がだんだんたまっていきます。ボウルの中には、つるんときれいになった豆が増えていきました。
殻むきに、選別に、薄皮むき。ここまでだけでも、本当に長い道のりです。それでも手を止めずに、自分たちの手で進めてくれたことが、親としていちばんうれしかったところです。
薄皮をむいた豆は、ローストの具合を見て、深煎りと浅煎りに分けました。
こんがり濃い色の豆と、やさしい色の豆。並べて見ると、同じ落花生でも、色合いがこんなに違います。2種類のピーナッツバターを作って、食べ比べをすることにしました。


■ ミキサーのボタンをめぐって、まさかの取り合い
仕分けた豆は、それぞれミキサーに入れて、細かく砕いていきます。ここで盛り上がったのが、スイッチ係です。
「ボタン押したい!」
上の子も下の子も、やる気いっぱい。お互いに「自分が押したい!」と競り合いになりました。そこで「順番だよ!」と声をかけて、交代で担当してもらうことにしました。
ミキサーを使うときは、片手でふたをしっかり押さえて、もう片方の手で本体を支えます。小さな体でミキサーにぎゅっと向き合う姿は、とても頼もしく見えました。
ガガガッと豆が砕かれて、だんだん粉のようになっていきます。その様子を、2人ともじっと見つめていました。
■ 仕上げのハンドブレンダーは、ぎゅいーん!
最後の仕上げは、ハンドブレンダーです。砕いた豆に、油とはちみつを加えて、甘みとなめらかさをプラスします。
ぎゅいーん!
ハンドブレンダーは、なかなかの振動です。それでも子どもたちは、しっかり握って上手に混ぜてくれました。ぱらぱらだった豆が、少しずつとろりとしたペースト状に変わっていきます。
庭で殻をむいていたあの落花生が、ここまで姿を変えていく。その変化を、いちばん近くで見られたのは、子どもたちでした。


■ お待ちかねの味見タイム
できあがったピーナッツバターは、深煎りと浅煎りの2種類。いよいよ味見です。
「深煎りも浅煎りも、おいしーい!」
満面の笑みで味見する子どもたちの顔を見ていたら、私まで笑顔になりました。
自分たちで育てて、むいて、焼いて、砕いて、混ぜて作ったピーナッツバター。お店で買ったものにはない、特別な味がしたのではないでしょうか。
■ 明日からのパンが、もっと楽しみに
今回の落花生作りで、いちばん感じたのは、子どもたちの「やってみたい!」という気持ちのまっすぐさでした。
殻むきから味見まで、どの工程にも子どもたちの出番があって、ひとつひとつを夢中で楽しんでいました。順番を決めたり、アイデアを出したり、できあがりを待つ時間にわくわくしたり。たくさんの表情に出会えた1日でした。
上の子と下の子が、同じ台所で、それぞれの役割を持ってひとつのものを作る。年齢が違っても、一緒に作り上げることができるんだなと、あらためて感じた時間でもありました。
殻の中に豆が入っていること、焼くと香ばしくなること、砕くとペースト状になること。教えなくても、手を動かすなかで、子どもたちは自然と覚えていくのかもしれません。
食べ物がどうやってできるのか。育てて、収穫して、自分たちの手で形にしていく経験は、子どもたちにとって大きな学びになったと思います。
明日からは、このピーナッツバターをパンに塗って食べるのが楽しみです。深煎りと浅煎り、子どもたちはどちらが好きかな。朝ごはんの時間が、またひとつ楽しみになりました。
おうち時間の過ごし方に迷ったときは、ぜひ「育てる」「収穫する」「作る」を、親子で体験してみてくださいね。
※ミキサーやハンドブレンダーを使うときは、必ず大人がそばで見守ってください。小さなお子さんは、ナッツ類の誤嚥にご注意ください。はちみつは、1歳未満の赤ちゃんには与えないでください。

