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KOSODATE BASE 浜松(子育てベースはままつ)として生まれ変わりました。

子ども達に地元の豊かな伝統を残し続けたい。綿の産地フェアで染色体験をしてきました。

目次

楽器の街、うなぎの街だけじゃない。繊維の街 浜松を次世代に残そう。

皆さんは浜松の特産と聞くと何を思い浮かべますか? 真っ先に思うのは多分『楽器』。特にピアノだと思います。浜松にはYAMAHAや河合楽器、ローランドなど世界的に有名な楽器メーカーがありますもんね。他にもうなぎの街。うなぎパイの街って思う人もいるかも。オートバイの街とかも言われますね。浜松餃子もモチロン‼︎ ソウルフードですね。

「浜松といえば繊維の街だよね〜‼︎」そう答えていただいたアナタ‼︎ ありがとうございます。今の若い人には馴染みが薄いかもしれませんが、浜松は繊維の街としても有名です…でした。かな?

時は戻り江戸時代中期へ。温暖な気候の遠州地域は綿花の栽培に適していて、綿を使った繊維業が盛んになります。遠州綿紬・注染そめ等、この地域の伝統の技が職人から職人へと受け継がれ、繊維業は遠州地域の一大産業になりました。

ふわふわの綿花。遠州地方の温暖な気候と天竜川の水が、綿花が育つ環境に適していたそうです。

しかし時代は変わり、海外の安い製品が入ってくるようになると、手間暇かけて丁寧に作られた日本の布製品は徐々に衰退していきます。今も遠州の繊維の文化を守っている人もいるので、文化が途絶えたというわけではありませんが、昔に比べたらかなり規模が小さくなってしまいました。

しか〜しっ‼︎‼︎

「良いものは残したい‼︎」遠州の繊維産業に携わる方々、地元にゆかりのあるクリエーター達、何よりも地元の文化を愛する方々により、改めて遠州の繊維文化について見直しが行われて「この技術を日本の文化として届けたい。次世代へこの文化を届けなければならない」と盛り上げている真っ最中。

「私が育った街にはこういう文化がある」「私はこういう景色を見て育った」「これは私の街で作ったものだ」という胸を張って言える事は非常に貴重な事です。私も『繊維の街 浜松』を応援したくて、遠鉄ギャラリーモールソラモで行われた綿の産地フェアに遊びに行ってきました。

10月14日・15日、遠鉄ギャラリーモールソラモと、新浜松駅の下にあるはままちプラスで行われていた綿の産地フェア

文化に触れるはじめの一歩は体験でしょ。はさんで染める△ふじさんで染色体験してきました。

さて、綿をテーマにしたイベントって…。皆さんどんなのを想像されますか? 『地元古来の技術を職人さんが見せてくれる』…う〜ん。大人は楽しめるとは思うけど、子連れとなるとなぁ〜。ちょっと飽きちゃいそう…。

そんな時にこんな面白い体験セットを見つけました。ジャジャ〜ン♫ はさんで染める△ふじさん。子ども達が遊びながら染めるという技術を体験できるセットなんですって‼︎ こちらは浜松で創業60年の老舗染工場、武藤染工さんの製品です。

はさんで染める△ふじさん。パッケージも可愛らしい😊

種類は2つ。ブルーのふじさんとピンクのふじさん。ブルーのセットはハンカチをブルーで染める事ができ、ピンクのセットは手拭いをピンク色で染める事ができます。追加キットを購入いただくと、ピンク・ブルー・オレンジ・パープル・グリーンの染料もから好きな色を1つ選べます。今回は体験イベントということで、好きな色を選ばせていただきました。ウチのムスメはグリーンのふじさんハンカチを作るそうですよ。

折り紙をするように、白いハンカチを折っていきます

作業は簡単。お子さんにもわかりやすい手順書があるのでその通りに仕上げます。折り紙を折る感じに似ているかな? 折ったらアクリルパネルで挟み輪ゴムでしっかり留めます。(ちなみにアクリル板はコロナ禍で使用し破棄したものを再利用。SDGsにも配慮しています。)

容器に染料や綿に染めるための薬品を入れ、アクリル版で挟んだハンカチを浸すと…。下の方から染料が染み込み色が上に登ってきて富士山のようになりました〜。

このふじさんを広げるとどうなるのかな?

約10分ほど時間をおき、広げてみるとこんな感じ〜。亀の甲羅みたいでキレイ〜笑。

キレイな模様が広がりました〜

出来上がったハンカチは一度お湯に浸けて洗い流すことで、洗濯しても落ちないハンカチとして使えます。

こちらは従来からある雪花絞りという技法を使った商品。木の板で布を留めていたのをアクリル版に変えることで、富士山のように染まっていく姿を観察できることから、子ども達、モチロン大人もおすすめですが、″染める″という文化について興味を持ってもらおうと作られた商品なんですって。(そうそう、染料の後処分が心配になりましたが、家庭の洗面所などでそのまま流してOKですって。)

ウチのムスメも自分で染めたということでお気に入りのハンカチ。こういう体験を少しづつ増やしていって、地元の文化に興味を持ってもらえたらいいなぁ〜って思います。

はさんで染める△ふじさんについては、武藤染工のファクトリーブランドショップ『染め屋 結華(ゆうばな)』でご購入いただけます。ページ下段にリンクを貼っておきますね。

武藤染工さんはこんな新商品も開発中。写真だと分かりづらいかな? 水で濡れると絵柄が出るハンカチです。お子さんがが手洗いを楽しくできるようにって願いを込めて作っているんだそう。

「染める」仕事って面白い。せっかくなのでトークも聞いていきました。

「浜松は繊維産業が盛んだった」という事は知っていましたが、綿花の収穫に始まりそれが一つの製品になるには多くの工程が必要なんですね。大変失礼ではありますが、服や布雑貨が出来上がる工程で、染める人がいるということを今まで意識していませんでした。今回、はさんで染める△ふじさんを体験することで、「そうかぁ〜。織るだけでなく染めるという仕事があって製品になるんだなぁ〜」と興味を持つことができました。

綿の産地フェアではトークイベントが同時開催で行われています。司会は以前にKOSODATE BASE hamamatsuでも紹介した『はままつ BABY BOX Project』の桂川美帆さん。こりゃお話を聞かなくちゃ。

ゲストは△ふじさんの武藤染工の武藤泰地さん、和田染工の和田光世さん、DORPの大杉晃弘さん。『産地×デザインの未来』というテーマでお話をされるそうです。(ちなみにDORPという団体はあまり一般の方には馴染みがないですね。浜松のデザイナーに焦点をあて、よりデザイン文化を強化するプロジェクトのようなものです。よかったらリンク先をご覧ください。)

左から司会の桂川美帆さん、和田染工の和田光世さん、武藤染工の武藤泰地さん、DORPの大杉晃弘さん、司会の浜田美希さん

トークは浜松注染ぞめの話から。型紙に特殊な糊をつけ、ヤカンと呼ばれる道具で染料を染み込ませる技法。注染そめで染められた生地は表・裏どちらにも模様が入り、仕上がりが美しいこと。

そして、この『素晴らしい技術』を絶やさないためにも、地元のクリエイターと関わりながら、今の時代に合った魅せ方を模索しているという話を聞けました。

遠州の布について知りたい方はこちらの『遠州さんち─布の教科書─』がオススメ。わかりやすく丁寧に書かれています。各区役所や恊働センターで入手可能です。

こちらは贈って飾って使える浜松注染染め手ぬぐい『CHUSEN Letter』。このまま郵便で送ることもできますし、化粧箱は棚置きだけでなく壁掛けにも対応しているので、絵を飾るように注染そめを楽しむことができます。

大事な誰かに、手紙を送ってみませんか?(写真が反射しちゃってすみません💦)

伝統だけではない、クリエイターと組むことで新しい風を取り入れ、時代に合った注染そめの新しいl魅せ方が生まれています。CHUSEN Letterの詳細はページ下段にリンクを貼っておきますね。ついでに私が撮った写真も見栄えがしないのでPVを貼り付けさせていただきます笑


さすがに黄金期のように遠州の地で繊維業が爆発的に流行する…という事は難しいとは思いますが、私のムスメが成人するころには浜松駅や市役所のロビーが地元で染められた色とりどりの布で装飾されているのかなぁ〜? そうなったら素敵ですね。

でも、そういう未来を待っているだけではいけません。私たち一人一人が「私の街にはこういう技術がある」っていうことを知り、胸を張って宣伝していきましょう。地元の伝統に誇りを持ち、楽しい街を子ども達へ、またその子ども達へと繋げていくためにもっ‼︎

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