ムスメが学校で劇団たんぽぽのお芝居をみてきました…が、そういえば劇団たんぽぽって…。
突然ですが、みなさん演劇は好きですか?
私は大好きです。子どもが産まれる前は東京の劇場に夫婦で遊びに行ったものですが、あれから随分年月が経ってしまいました。今は地元のアマチュア劇団のお芝居をたま〜に観に行ったり、配信で観て楽しんでいます。(本題と逸れますが、配信は迫力が物足りなく、かえって観なければよかった…と思うこともあります。個人的な感想ですが…。)
さて、先日、小学生のムスメが学校から帰ってきて、「今日は劇団たんぽぽのズッコケ3人組を観てきたよ〜。面白かった。」と教えてくれました。学校で何があったか積極的に教えてくれないムスメ。よっぽど楽しかったんでしょう。「面白かったんだね。よかったね〜。」と相槌をうったのですが…。
あれ? そういえば…。私が子どもの頃にも学校行事で劇団たんぽぽのお芝居を観た気がするぞ? 劇団たんぽぽの人は不老不死の薬でも飲んでいるのでしょうか。よくよく考えたら劇団たんぽぽという名前は知っていても、劇団たんぽぽとは何ぞや? ということを全く知らない。な〜んて考えていたら、だんだんと興味が湧いてきました。
私、劇団たんぽぽのお芝居を観に行くのは何年振りでしょう。30年以上は経ってるはず…。そんなわけで、私も(気持ちだけ)若返りの薬を飲んで小学生の頃にタイムトリップ。現役小学生のムスメと共に、劇団たんぽぽの『おはなしレストラン』を観に、菊川文化会館アエルに行ってきました。
まずはお芝居を楽しみましょう。目指せブレーメン ブレーメンに行くぞ‼︎
初めて入る菊川文化会館アエルは、何となく建物のイメージがお城っぽくて、今から物語の世界に入っていく感じがしていいですね。
実はまったく情報を入れてなかったんですが、菊川文化会館アエルは7月22日〜8月13日まで『アエルこどもサマーフェスティバル』というイベントの真っ最中だったようです。今回の劇団たんぽぽの公演もこのプログラムに入っていたみたい。まだまだ色々なイベントがあるみたいなので、興味のある方はリンクを貼っておくので見てくださいね。
さて、今回は一応取材という建前になってはおりますが、取材のためにお芝居を観るなんてこんなつまらない事はないですね。まずは記事を書くことはポカーンと忘れて、物語の世界へ飛び込んで行こうと思います。
ということで、今回の子育てコラムはこれにて終了…。お疲れ様でした〜〜〜‼︎ とはいきません。全力でお芝居を楽しんでおりましたのでテンションあがっちゃって。メモとか取ってないので、間違いとかあったら優しく指摘してくださいね。
まず劇場の扉を開けると、い〜ぱいの子ども達。小学生のお子さんからちっちゃなお子さんまでぎっしり。そりゃぁ、もぅ大賑わいです。(ちなみに大賑わいというのは、お客さんがいっぱいの大賑わいでもあり、子ども館の笑い声や泣き声、叫び声でも大賑わいの両方の意味です笑)
しばらくすると俳優さんたちが入ってきて、劇中で歌う歌と掛け声をレクチャーしてくれます。
『やってみなくちゃわからない(オー!)
まだまだ人生これからだ(オー!)
パーっと花を咲かせよう(レッツゴー!)
目指せブレーメン ブレーメンに行くぞ!』
さすが、劇団たんぽぽさん。子どもの心をもう鷲掴みです。さっきまで騒がしかった子どもたちが一丸になって「オー!」とか「レッツゴー!」とか拳を突き出して歌ってる笑。
演目『おはなしレストラン』はグリム童話のブレーメンの音楽隊をベースに、国語の教科書でもお馴染みのおおきなかぶも一緒になった物語。
あるところにため息をつきながら悲しそうな表情をしている男の子がいます。「自分には夢がない」ということに嘆いているようです。そんな男の子の目の前に突然レストランが現れました。
このレストランは普通のレストランではありません。お料理をお出しするのではなく、お客様にぴったりな物語を出してくれます。少年は物語の旅へと出発することになりました。
およそ1時間ほどの上演時間。夢をもつことは必要なのか…という深い哲学的なテーマがありつつも、笑いどころや歌やコール&レスポンスもあり、あっという間に時間はすぎていきました。すごいのは子ども達が真剣にお芝居を見ている事。あの「30分だけでいいから静かにしてくれればお小遣いあげる」と言って、5分で騒ぎ始めたウチのムスメが1時間も静かにお芝居を観ているんです涙(劇団たんぽぽの魔法力を分けてほしい)
もちろん、ただ静かにしているのではなく、物語をじっと観て、笑って、歌ってる。この集中力はライブだからこそのものですね。
大人の私はというと…。面白かったです。すっごく面白かったです。『夢があった方がいい』ってそりゃそうですよね。でも本当に自分が何をしたいのかわからない人もいる。むしろそういう人の方が多いんじゃないかな。
「夢は必要です‼︎ さぁ夢を持ちましょう‼︎」なんてオチだったら観てて辛くなっちゃうかもしれない。でもこの物語は違います。
ネタバレになっちゃうので言いませんが、「夢って必要なのかな」「生きることって何なのだろう」というメッセージを考える余白をもって伝えられ、子どもだけでなく大人だって明日に向かって生きていけるパワーをもらえる。そんな作品でした。もぅ‼︎ これ以上は…「もぅ、ライブで。劇場で作品を観てっ‼︎」そこに勝る言葉はありません。
終演後、たんぽぽさんとお話をさせていただきました。
上演終了後、劇場の片付けでお忙し中お時間をいただきお話を聞かせて頂きました。
劇団たんぽぽは1946年に設立。あともう数年で80年なんですって‼︎ 私が小学生のころ、劇団たんぽぽのお芝居を見た記憶も記憶違いではなかったようです。もちろん劇団たんぽぽの皆さんは不老不死の薬を飲んでいるわけではなく何代にもわたってお芝居を通して子ども達に普遍的なメッセージを送り続けていたわけですね。
劇団たんぽぽさんの公演エリアは、(なんとなく静岡県西部エリアなのかなぁ〜)と思っていたのですが、静岡県全エリアを中心に、北は北海道・南は沖縄まで全国で公演を重ねているそうです。学校での公演がメインですが、こういう劇場を使って一般公演も行っているので、記事の一番下にあるホームページを見てチェックしてみてくださいね。
これほど長く演劇の活動をされていると、時代によって子ども達の反応が変わってくるものなのかな? とか思いましたがそんなことは無いそうです。どの時代になっても子ども達はまっすぐにお芝居を楽しみ、笑って驚いてくれるそう。(ただ、不思議なことに地域によってリアクションが違ったりするんですって。何ででしょう。面白いですね。)
子ども達に演劇を届けることの重要性、面白さをお伺いしました。
演劇の魅力は何といってもライブ感。演劇は役者だけでは作る事ができません。子ども達のリアクションあって初めて完成します。その場・その時にしか作れないライブ感があるからこそ、子ども達はこれほどに物語の世界に没頭してくれるのだそうです。
そして物語に込められたメッセージも、一緒にお芝居の世界へ旅する中で心の中に小さな芽が生まれるのかな?
劇団たんぽぽさん、クラファン真っ最中。この物語を届けたい‼︎
この記事を読んで劇団たんぽぽに興味を持っていただいた方に、どうしても知っていただきたい事があります。ただいま劇団たんぽぽはクラウドファンディングの真っ最中。まずはこのクラファンについて知っていただくことから。そして気に入っていただけたらぜひ応援してほしいのです。
劇団たんぽぽは2024年3月に新作公演を行います。その新作とは静岡県磐田市在住の漫画家、寺田浩晃さんの刊行本「黒猫は泣かない。」に収録されている「くろいりんごときいろいそら」。
そこに描かれているのは、大勢の中にいる「孤独を抱えたたった一人」に贈られるメッセージです。「芸術」が人を救う。大人として、未来を生きる子どもたちに、何をしてあげられるか。劇団たんぽぽさんは、舞台芸術を使い、この課題に取り組みたいと思っています。
今の時代だからこそ子ども達に届けたい物語。地元 静岡の力を集結し、この作品を全国の子どもたちへ届けるために、どうかご寄付をよろしくお願いいたします。
クラファンの内容、寺田浩晃さんについては、こちらのクラファンページに熱いメッセージと共に紹介してあります。ぜひご一読ください。
演劇という表現を使って、何世代にもわたって子ども達を見守ってくれている劇団たんぽぽさん。地元にそういう劇団がある事に誇りを持ちました。
取材の時に、ムスメが学校で見たズッコケ三人組のハチベエ役の宮田恵紀子さんがわざわざ「ハチベエだよ〜」と来ていただいたんだけど、舞台メイクしてないからウチのムスメがキョトンと笑。大丈夫、帰り道に「ハチベエと話した〜」って超喜んでいました。
ほんと、いつの時代でも子どもの視点に立ってくれる劇団。素敵ですね。これからずっと応援していきます‼︎