カンヌで受賞!監督:河瀨直美*主演:永瀬正敏の再タッグ作品『光』
ずっと気になっていた映画がやっと公開されたので、早速観てきました!!
2年前の話題作『あん』の河瀨直美監督と永瀬正敏が
またまたタッグを組んだ作品、『光』です。
つい先日、受賞作品の発表があったカンヌ国際映画祭。
見事、「エキュメニカル審査員賞」を受賞したこの作品。
監督、主演はもちろんのこと、脇を固める俳優陣もとても素晴らしかったです!!
何と言っても、鑑賞後の一番の感想は…
「やっぱり映画って凄い!!計り知れないパワーをもっているものなんだ!!」
ってことです。
知らなかった世界にどっぷり浸る2時間。
極上の癒し時間でした。
では、恒例の…
《ネタバレ無し。ざっとあらすじ》
視覚障がい者向けの「映画の音声ガイド」の仕事をする美佐子は、
山深い故郷に認知症の母をおいて街中で暮らしている。
幼いころに父が蒸発し、どこか心にポッカリ穴が開いたような寂しさを抱えながら単調な日々を過ごしている。
視覚障がい者向けの仕事をしているにも関わらず、
どこか差別的な感覚も拭い去れないままに…
映画音声ガイドのナレーション作成の作業では、
実際に視覚障がい者であるモニター達の意見を取り入れながら、
音声ガイドの言葉を練り直していく。
そんな作業の中、中森という弱視の男性モニターが美佐子に辛辣な指摘をする。
「そんなナレーションなら無い方が良い」
「せっかくの良い映画をナレーションが台無しにしている」
中森は名の知れた天才カメラマンだった。
しかし、日々視力を失い、全く見えない時さえあることに恐怖を感じ、自分の命ともいえるカメラを諦めなくてはならないことに苦しんでいた。
ある時、中森の過去の写真作品集を見た美佐子は、
その中に幼い頃に父と二人で撮った写真の風景を見つけた。
「その場所に連れて行って」と中森に頼む美佐子。
視覚障がい者のモニターたちの言葉に触れ、
中森の葛藤を感じるうちに、美佐子の中で何かが変わっていくのだった。
そしていよいよ作品の完成上映会を迎える。
美佐子が辿りついたナレーションに、
見える者も、見えない者も、皆が涙し、微笑む。
「迷える大人のためのラブストーリー」とありますが…
作品を紹介する謳い文句には
「迷える大人のためのラブストーリー」
「珠玉のラブストーリー」
とありますが、ラブストーリーという括りでなく、
もっと広い意味を持った作品だと感じました。
映画を目で見て楽しむのではなく、想像し、
心で感じるとはどういうことなのか…
それをサポートするナレーションとは…
見えない人達の映画の観方、その感受性の豊かさや素晴らしさに感動します。
そして、あらゆるものの心を揺さぶる、映画が生み出すパワーの凄さ。
映画の音声ガイドという仕事がどういうものなのか。
それを作る人たちの姿に、今まで知らなかった世界を初めて見せて貰えて感謝の気持ちで一杯になりました。
ノーギャラで特別出演したという大物の”あの人”の声に痺れます!!
静かな映画です。
もしかしたら「単調だな…」と思ってしまうかもしれません。
でも、ラストシーンで、美佐子がモニターさん達と試行錯誤して作り上げた音声ガイドのナレーションを、”あの人”の声で聴いたら、
もう感動間違いなしです…
”あの人”とは一体誰でしょう(笑)
映画館で是非お確かめくださいな♪
ちなみに、凄い大物なのに、ノーギャラで声の出演をしたそうです。流石はあの方…惚れます♡
今月もシネマイーラ、ステキな作品が目白押しです!!!
毎月そうなんですが、今月は特に…
私の観たい作品が目白押しです!!
独断と偏見で作品を選んでご紹介する「オンモプラス☆映画部」
まだまだ続きます(*^-^*)